校長室便り
2015年01月31日
いよいよ竣工、そして新しい旅が始まる

 1月下旬のある朝、出勤すると工事用の囲いが外されていて正門から見る景色が一変していました。早速登校する生徒の様子を見に行くと、門の前の坂を上がってきて校舎とサブグラウンドの全貌が見えるや、生徒達から次々と「おぉー」という歓声が上がりました。これまでの工事による不便さを一気に解消するような笑顔でした。また、校地を道路として提供したことで、通学路の道幅も広くなりました。別の学校みたいと思ったのは私だけではないでしょう。
さて、今月は1月15日が創立記念日で、「臨時増刊号」を出しましたが、他にも様々な出来事がありました。それらの中で「校長室から見た成城」をお知らせします。

正門から校舎を望む

正門から校舎を望む

 

 

1.米国と豪州から日本人学生6名来る

 1月14日(水)「鈴木琢也氏講演会」が開催されました。この日、本校では午前中に今年度最後の中学説明会がありました。そのすぐ後の慌ただしい中、カリフォルニア大学バークレー校から鈴木琢也さんをはじめとする5名の学生、オーストラリアのシドニー大学から、本校卒業生が1名、計6名の日本人学生が本校にやってきました。
当初、鈴木琢也さんのみによる講演会を企画していましたが、入学・編入学・留学など、日本人がバークレー校で学ぶ方法がいろいろあることから、鈴木さんのアイデアで4人の仲間を誘って、一緒に講演会で話をしてくれました。

  •  高校卒業後に1年目からバークレーに入学した人
  •  高校からカナダに留学し、高校卒業後にアメリカのコミュニティカレッジで勉強してバークレーに編入した人
  •  日本の大学に在籍して、現在1年間の交換留学でバークレーに来ている人
  •  日本の大学院生でバークレーに留学している人

4人とも入学の仕方や勉強していることがすべて違うので、講演会に参加した生徒達は海外での様々な学び方を知ることができたと思います。オーストラリアからは、本校からシドニー大学に進学した卒業生が加わり、成城での学校生活とオーストラリアでの大学生活を語ってくれました。

 これらの大学生の中でも、鈴木琢也さんの人生は別格でした。彼は中学で既に「ぐれ」てしまい、勉強には全く興味をなくし、偏差値最下層の高校に進学。高校卒業後は「とび職」になり、あるきっかけから「親父みたいになりたい」と勉強を始め、現在、世界のトップ大学のであるUCバークレー校にいる、という経歴の持ち主です。
鈴木さんによる講演のあとは、第2部グループディスカッションが続きます。「アメリカの授業スタイルを経験しよう」という企画で、成城生が小グループを作り、そこに大学生が1人ずつ入ります。テーマは学生が決めて、まるで「エンパワーメント・プログラム」の再現のようでした。大学生たちは講演後も校長室に残り、夜7時までディスカッションを続け、皆でそれぞれの思いを語りあいました。今、日本人として海外で頑張っている彼らを応援したい気持ちでいっぱいです。日本の若者は負けていませんね。すごいです。

鈴木琢也さん(一番左)講演会の様子

鈴木琢也さん(一番左)講演会の様子

 

 

2.校友会総会

 1月18日(日)カフェテリアにおいて、校友会(成城卒業生の会)の総会が開催され出席しました。総会後に実施される恒例の講演ですが、今年は本校卒業生で東京芸術大学・邦楽科を出られた、杵屋五三吉(きねや ごさきち・芸名)氏による邦楽が予定されていました。ご高齢のため当日は大事をとって、お二人のご子息の演奏となりました。お二人とも東京芸大のご出身で、ご長男は杵屋五吉郎、二男の方は望月太三郎の芸名で、お父様の後を継いで京都の南座、東京の歌舞伎座でそれぞれご活躍されています。ご専門は、三味線、堤で、パリをはじめ海外でワークショップをこなされているからでしょうか、素晴らしい演奏とともに、大変分かりやすい解説に感激しました。私事ですが、たまたま去年5月に歌舞伎座で「團菊祭五月大歌舞伎」を見て、記憶が新しかったせいもあり場面を思い出すような演奏でした。正直なところ生徒たちにも聞かせたかったと思いました。
グローバル時代にあって、日本の古典芸能をはじめ日本にしかない文化を、日本人がしっかりと自覚し、日本のよさ、日本文化のよさを認識していく必要を感じています。
総会後の懇親会では、出席者の皆さんが新しい校舎で、年に一度の会を楽しんでおられました。私も学校代表として、今の成城学校の状況をご報告させていただきましたが、卒業生から母校への熱い期待を感じ取った一日でした。

 

3.卒業生の来室

 総会には出席されなかった本校の卒業生が後日二人来校され、お話を伺うことができました。お二人とも高校からの入学生で、現在

  •  お一人は多数の病院を抱える経営者で「医療界に新たな風を巻き起こす」情熱の人
  •  もう一人の方はある私立進学校で「教育改革」を推進している人

新しい校舎に感激しながら、学生時代の旧校舎の雰囲気も懐かしく語っておられました。お二人とも現在お子様をお持ちで「親として」の視点からも成城を見てくださいました。共通して語られたことは、母校の後輩のために、何か力になれないかということでした。昔懐かしい成城というだけではなく、今後の成城への期待を熱くしてお帰りになりました。

 

4.在校生の来室

 高校生がひょっこり校長室に。予期せぬ来客に聞くと、「入学試験の休みを活用して数日アメリカに行ってきます。『アメリカのおじさんの話』『終業式と始業式の校長先生の話』・・・様々なことが重なって、これがきっかけとなって一人でカリフォルニアに行ってみることにしました。」と。せっかくのチャンス! 大いに活かしてしっかり見聞きし考えてきてください。
またある日、別の高校生とその後輩の高校生が校長室に来て話してくれました。「入学試験の休みにアメリカに行ってきます」と。こちらは、今年の「エンパワーメント・プログラム」で受け入れたカリフォルニア大学の学生が今度はホームステイを受け入れて下さるそうで、どうやら彼らはカリフォルニア大学デイビス校でキャンパスツアーなども計画している様子。「かわいい子には旅をさせろ」これが私の母の口癖です。心配しながらも何でもやらせてくれました。「やりたいことはとことんやりなさい。ただし自分から」と。
今回偶然来室した生徒達ですが、同じ方面に行くので、もしかしたら3人同じ飛行機になるかしら? 帰国後の報告が楽しみです

 

 昨日1月30日、4年間にわたった工事が終わり、建築業者から引き渡しがありました。明日2月1日からは入学試験が始まります。中学、高校で本校を受験する受験生の皆さん、大学入試を控えた本校高校3年生の皆さん、いずれの皆さんも是非体調に気をつけて、最後まであきらめずに、実力を発揮して下さい。
健闘を祈っています。

 平成27年1月31日

 学校法人成城学校
成城中・高等学校
校長 栗原卯田子

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