2月1日、3日、5日の3回の中学入試、12日の高校入試、そして入学手続きや入学説明会など、2月は緊張の連続でした。そのような中、新年度の準備も始めました。
1.日経新聞夕刊コラム 2月7日、土曜日でしたが帰りが遅くなった乗換駅での待ち時間、自宅から「日経新聞の夕刊を買って読むように」と連絡が入りました。一面に、本校を卒業された能楽師狂言方、山本東次郎氏(人間国宝)による「あすへの話題」という連載コラムがあり、この日の見出しには「哲夫成城 能楽師狂言方 山本東次郎」とありました。それには、成城の校名の由来や歴史、在学時に受けた授業のことなどが書かれていました。最後の方には「時代は変わった」「哲婦成城・哲夫成城」との言葉。これを読まれた全国の知り合いから電話やメールが相次ぎました。特に、女性からは「元気を頂きました。」と。 「あすへの話題」の今回の記事について、山本東次郎氏より掲載の許可をいただきました。こちらをご覧ください。(2015年3月3日追記)
2.グローバル委員会 1月28日に、グローバル化に対応する教育を推進するための校内組織として「グローバル委員会」を立ち上げました。メンバーは4人の教員と管理職で、実質的には2月から取り組みが始まりました。
3.オーストラリアから 2月18日にオーストラリアのクイーンズランド州政府教育省国際教育部(Education Queensland International)から、部長が来校されました。私は前任の小石川中等教育学校で、オーストラリアの南オーストラリア州アデレードで実施する研修に立ち上げから関わってきました。成城で海外研修を実施するなら、それとは違う「成城オリジナル」の研修を作りたいと考えていた矢先であった昨年12月にオーストラリア・クイーンズランド州政府より招待を受けました。実は、この日来校されたのはその時お目にかかった方で、現地で私と意気投合した女性管理職の教育者です。
4.ちょっといい話 2月20日の昼休みに、目の不自由な方が同僚の方に付き添われて、校長室に見えました。この方は数年前に全視力を失い、社会復帰をめざして若松河田にある支援センターに通われ訓練を受けていたそうです。校長室でその頃のことを思い出しながら語ってくれました。 2年ほど前のことです。訓練をして初めて1人で出かけたとき、白い杖を左右に振って不安な思いで駅を歩いていると、「点字ブロックはこっちですよ。」と大きな声で教えてくれた男の子がいました。しばらくして再び困ったときに、またも同じ声の子が声をかけてくれたので、その子がずっと自分に付いてきて、自分を見てくれていたことが分かり、すごく嬉しかったのです。困ったときにおもむろに体を引っ張って教えてくれる人もいるけれど、声を出して教えてくれるのが一番嬉しいのでとても感激したのです、と。 そのときはその子の名前も聞かずにそのまま別れたそうですが、その後若松河田駅の沿線にある学校を調べ、時間帯から本校を割り出し、学校に電話をしてくださいました。本校では、電話を受けたその日のうちにその生徒が誰であったのかを調べて、それが当時中学1年だったある生徒だと分かりました。それから2年が経ったこの日、二人は再会しました。訪問して下さったその方の目的は、訓練を終えて、就職が決まり、ようやく社会復帰を果たした、もしかしたら卒業してもう学校にいないかもしれないけれど、その生徒に報告したかったということでした。「君のおかげで頑張れた。」と。涙が出ました。
5.竣工式 2月19日に地元の穴八幡宮 権禰宜 ( ごんねぎ )を 齋主 ( さいしゅ ) に新校舎建設工事竣工式を、校内で執り行いました。4年間にわたる校舎グラウンドの新築工事。この日、これまで設計や工事に携わった方々が、開式を待ちながら校舎を見上げていました。感慨にふけって眺めているその姿がとても印象に残っています。きっと、それぞれに色々な困難を乗り越えてきたのでしょうね。
などと想像しながら、その光景を見て私も決意を新たにしました。 竣工式の様子
入試、多くの来客、イベントなどで慌ただしく大忙しの2月が終わりました。すごく色々なことがあり忙しかったけれど、やりがいのある月でした。 平成27年2月28日 |
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