成城スクールライフ
2012年02月28日
中2:理科課題「小論文」

 中学二年生は、入学以来、長期休業中の課題として「小論文」という課題に取り組んでいます。本日は生徒たちが作成した論文の一部をご覧ください。

 今回ご紹介する小論文のテーマは、「調査・集約・考察」。三つのテーマのうちから1つを選び、保護者以外の複数名の大人から意見を聞き、それらの意見をまとめるというものです。

 こちらの論文を書いた生徒は、「未来に残すべき風景はなにか。」というテーマを選びました。

 「残すべきもの」

 

 「未来に残すべき日本の風景は、どのような風景か」僕は三つのテーマの中からこれを選んだ。質問する人は決まっている。広島県尾道市に住む父親のほうの祖父と祖母だ。田舎に住む二人なら答えてくれそうだと思った。

 まずは祖父の意見から。祖父の職業は大工。今でもバリバリ働いている。そのこともあって、祖父は木の話を多くしてくれた。

 最近、祖父は旅行をする時や、尾道周辺を見る時、山林が荒れていると感じるのだという。理由としては、安い外国産の材木輸入が活発になり、祖先の人が一生懸命手入れしてきた山林の木々が利用されなくなってきているからだ。祖父はそのことについて少し危機感をいだいているという。また山を手入れすることによって、様々な利点もあるそうだ。山の雑草がなくなり、木が大きくなり、雨が降れば一度に洪水にならず、徐々に川に流れ、海に流れ込み、バクテリアが増え、魚介類の餌にもなる。また緑が増し、温暖化を少しでも抑えるだろうから、山の緑はやはり残し育てていくべきなのだ。祖父は言う。青森の白神山地のような大きな遺産も大切だが、家の周りにある身近な山々も「遺産」として残していきたい。

 ところで、先日祖父は姫路城へ改修見学に行ったそうで、昔ながらの工法をじっくり見てきたという。祖父は今のように機械道具のない時代にあのような立派なお城ができた事を不思議に思い、改めて昔の人の偉大さに感動したそうだ。祖父は若い人々に伝統、技術などを学んでいってほしいと思っている。

 ××家は先祖代々田んぼを持っていて、本職ではないものの、農業を行っている。次はそんな祖母の話。

 最近田んぼなどで、休耕田が多くなってきている。しかし、祖母としては、昔のような原風景を残していきたいそうだ。田んぼを作ることにより、米を生産し、野菜を生産し、また季節の移ろいを味わうこと、楽しむことのできるうれしさがあるから。それに、田んぼはやすらぎをも与えてくれる。そんな田んぼが祖母は好きだ。

 また、これは風景ではないかもしれないけれど、祖母は昔からある行事…例えばお彼岸の鐘太鼓、祭りのお神輿などの伝承行事も大切に未来に残すべきだと考えている。

 こうして、二人の話を聞いていると、何でもない家の周りの山々や田んぼなど、身近にある自然を大切にしているのだと思う。また、山や田んぼなど、それぞれに季節感を感じることができる。後、祖父の姫路城についての話。これもなかなか深い内容だと思う。姫路城という風景を未来に残すためには、大工という仕事を若い世代が受け継いでいかなくてはならいないのだ。この文については祖父のメッセージだとも言える。

 最後に、丁寧に答えてくれた祖父、祖母に感謝します。

 在校生および保護者の皆さんは、年度末に配布される雑誌「成城」にも、これらの小論文が掲載される予定ですので、是非そちらもご一読ください。

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