イベント
2017年06月13日
第37回 高校生英語弁論大会
初出場の成城勢

初出場の成城勢

6月10日(土)、第37回 高校生英語弁論大会(主催:東京都国際教育研究協議会)が都立練馬工業高校で開催されました。いずれも高校3年A組の濵野揚茂君、渋谷治輝君が出場しました。本校からの参加は初めてのことです。大会には成城の2名を含む19名が出場しました。東京都教育委員会の「グローバル10」指定の都立飛鳥、都立深川、都立小平の各高や、ESAなど英語系の部活に所属している生徒の参加が目立ちました。成城から出場した2名は、昨年度の校内弁論大会で活躍し、新たに英語弁論に挑戦することになりました。初めてのことで、指導教諭の及川を含め試行錯誤の連続でした。まず日本語で構想を練り原稿を起こし、それを英語に訳しました。その過程で、英語科の教員やエンパワーメントプログラムに参加した米国人学生の助言を受け、英文の推敲を行いました。

練習期間は、正味2週間弱でした。最初は原稿を見ながら、2週目からは暗誦を試みつつ、ほぼ毎日1時間程度の練習を行いました。スピーチを行うごとに、濵野君、渋谷君が相手に対して助言や注意を与え合いました。徐々に、それぞれの持ち味が鮮明になるとともに、課題も絞られていきました。時折、昨年度、東京私立高等学校弁論大会に出場した小杉和司君(高3E)が顔を出し、2人の弁論に適確な評価やアドバイスをしてくれました。練習を重ねるにつれ、発音やアクセント、イントネーションなどの細部に磨きをかけるとともに、声の大きさ、抑揚、身ぶり手振りなどを意識し、工夫する段階へと進んでいきました。同時に、5分間の制限時間内に収めることも気にかけました。最終盤には、スピーチを通して「自分らしさ」を発揮できるようになることを重視しました。濵野君は、元気で生きのいいユーモア溢れる弁論を、渋谷君は、力強く端正で彫りの深い弁論を、それぞれイメージさせるようにしました。最後に2人が到達したのは、「情熱」を傾けて弁論を行うことが最も重要である、ということでした。前日の9日小講堂で行われた最終練習会には、小杉君、英語科主任の松本先生、石山先生が参観と激励のため訪れてくださいました。

さて、当日のことに戻ります。前半戦で注目を集めたのは、都立小平の富田さん、都立両国の出口君でした。富田さんは、フィリピンで出会った少女に「夢は何か」と尋ねたところ、少女が「食べられること」と答えたのに衝撃を受けた話を引用しつつ、「当たり前」を疑うことの必要性を主張しました。出口君は、宗教が人間と動物とを区別するものだとし、無宗教とされる日本人の「いただきます」と言って手を合わせることなどを例に、Japanismという独自の捉え方で、「日本人の信じるもの」をユーモアたっぷりに述べました。

濵野君は前半の最後に登壇しました。題は「Don’t be afraid」です。

Do you think how many Japanese people consider themselves shy?

で始まる弁論では、「恥ずかしがる」ことを日本文化の特徴の1つとし肯定的にとらえ評価しながら、グローバル社会ではそれが通用しないこともあり、勇気を出してコミュニケーションをとることの大切さを、エンパワーメントプログラムやホストファミリーの体験を織り交ぜつつ、声色や表情を巧みに変える演劇的要素とともに熱弁し、会場を湧かせました。

濵野君「Don't be afraid」

濵野君「Don’t be afraid」

後半戦の口火を切った渋谷教育学園渋谷の三浦さんは、ネイティブスピーカー並の圧倒的な英語力を見せつけ、会場はしばし騒然となりました。

渋谷君は最後から2番目に登壇しました。題は「Sports can stop even wars」です。

7-6-0-0-0. 76,000. Do you know what this number means?

で始まる弁論では、戦争や紛争で亡くなる人の多さから説き起こし、その根底にあるのは「相互の不理解」だとし、乗り越える切り口としてスポーツの持つ可能性に言及、自身の取り組む柔道を例に、相互理解や他者への敬意の構築が平和の礎になること、東京オリンピック開催を契機に、そのことに思いを深めようと論じ切り、会場をうならせました。

渋谷君「Sports can stop even wars」

渋谷君「Sports can stop even wars」

最後の弁士は多摩大学聖ケ丘の正木さん。終始笑顔をたたえた「Power of the smile」は、明るくはつらつとした弁論でした。

結果は、優勝正木さん、準優勝富田さん、特別賞出口君でした。濵野君、渋谷君は惜しくも入賞はなりませんでしたが、いずれも会心の弁論でした。互いに、個性や良い所を出し切っていたと讃え合う様子は、実に爽快で感動的でした。

昨年度の東京私立高等学校弁論大会に続き、成城に取っては新たなチャレンジとなったこの大会は、濵野君、渋谷君のみならず引率の及川にとっても学ぶことの多いものでした。2人がこの経験を自信と励みに羽ばたいて欲しいと願うとともに、今回得た知見、交流の成果を、今後の成城の教育に還元していきたいと思っています。

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