成城スクールライフ
2017年10月30日
台湾映画祭

 

初めての開催です。

初めての開催です。

 

10月28日(土)午後、本年度第4回教育講演会として「台湾映画祭」を開催しました。これは、今夏より台湾研修にご協力いただいている日本台湾教育センター様との共催で実施したものです。会場には郭所長、同センターで中国語の指導に当たっている王先生がお見えになりました。参加者は、高校生や保護者約50名でした。

 

上映作品は『GF*BF』(原題 『女朋友。男朋友』 2012年制作、ヤン・ヤーチェ監督)、解説には、著名な翻訳家で法政大学教授の金原瑞人先生がお越しくださいました。

 

「横のものを縦にする」

「横のものを縦にする」ことについて話す金原瑞人先生

 

栗原校長の挨拶ののち、上映に先立ち、金原先生が「横のものを縦にする」という言い回しで、翻訳にまつわる話をされました。翻訳とは、横書きのもの(英語や仏語の文章)を縦書き(日本語の文章)に置き換えるだけにとどまらないとして、興味深い事例を紹介されました。絵本を例に、左開きの英仏等の原書が右開き・縦書きの日本語の書籍に翻訳される際、挿絵の向きが、視線の動きや画面構成を考慮して「反転」させられることがあるといいます。『星の王子様』などの具体的なテクストを例に、分かりやすく図示してご説明されました。日本の作品が海外の言葉に翻訳される場合には、逆の現象が起こるそうです。世界を席巻する日本の漫画も例外ではなく、左開き・横書きの体裁に合わせて改変されるのが通例だったのを、『ドラゴンボール』の作者鳥山明さんが日本と同じ右開きのままを主張したのを機に、そのように変わったという面白いエピソードもありました。縦書きは、中国に発する東アジア圏特有の書式だったが、現在残っているのは、日本と台湾だけということでした。

 

『GF*BF』は、男女3人の高校生の友情と愛情の変転と結末とが、約30年の時間の流れの中から、いくつかの特徴的な時期を取り出し、具体的な事件や出来事を積み重ねることで描かれています。バックボーンにあるのは1980・90年代の民主化を求める学生運動であり、日本に置き換えると1970年前後の空気感や、若者の生態・心情に通じるのではないかと思われました。作中、暗示的・象徴的な表現も多く、テーマ・描写ともに決して簡単な作品ではありませんでしたが、見終わったあとに切なさの残る映画でした。

 

台日関係を描いた映画についてのお話しも

台日関係を描いた映画についてのお話しも

 

映画ののち、再び金原先生がお話しをされました。日清戦争から第二次対戦までの日本と台湾との関係史を概観しつつ、3本の映画を紹介いただきました。日本統治下の台湾で生まれた日本人についてのドキュメンタリー映画『湾生回家』、原住民による抗日暴動を描く大作『セデック・バレ』、台湾代表として甲子園に出場した嘉義農林の史実に基づく『KANO』。いずれも問題作、感動の力作であり、歴史の物差しとともに、この日の上映作『GF*BF』を立体的に浮かび上がらせたということができます。

 

閉会後、生徒や保護者の方が、映画や台湾に関する話をするべく、金原先生、郭先生、王先生のもとに詰めかけていました。心配された雨も本降りとはならず、無事「台湾映画祭」を終了することができました。あらためて、講師としてお越しくださった金原先生、この度の企画の実現に惜しみなくご協力くださった郭先生ならびに日本台湾教育センター様に、心より感謝申し上げます。

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