成城スクールライフ
2020年02月17日
高1理科:全国海洋教育サミット参加

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2月15日(土)、東京大学の本郷キャンパスで行われた「第7回全国海洋教育サミット」に本校生徒2名が参加してまいりました。参加したのは高1の砂長くんと萩倉くんです。

2名は、第一部のポスターセッションにて、今年度の探究活動の成果報告を行いました。発表タイトルは、砂長くんは「なぜ海にはたくさんのプランクトンが生息しているのか?~静岡県下田市鍋田湾を事例に~」、萩倉くんは「都市型河川のスズキの形態変化 ~東京湾奥の運河に生息するスズキの生息環境による変異~」です。それぞれ、自分の好きなことを探究した、良い研究です。

最前線の研究者や他校の先生方から有意義なアドバイスをもらい、良い経験を得たようです。これからの進路選択にぜひ活かしてください。発表したポスターは1号館3階に掲示されています。在校生は見てみてください。

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要旨は以下の通りです。

なぜ海にはたくさんのプランクトンが生息しているのか? ~静岡県下田市鍋田湾を事例に~
 研究目的  2019年夏、筑波大学の研究教育施設・下田臨海実験センターにて行われた「海洋生物学入門」に参加し、下田近海のプランクトンの採取・観察を行った。本研究では、その調査の結果を元に「なぜ海にはたくさんのプランクトンが生息しているのか?」を明らかにすることを目的とする。
 研究方法  調査は鍋田湾内で実施し、下田近海のプランクトンを採集した。水深値が異なる場所に船で行き、船上からプランクトンネット(300μm・100μm)を海中に入れて船をゆっくりと走らせ、広域のプランクトンを採集した。引き上げたサンプルは顕微鏡で観察した。動きの速い動物プランクトンは適宜グリセリン液を用いることで動きを鈍らせて観察した。その他、実際に水族館に行き、魚がプランクトンを摂取する様子を観察した。
 研究結果  調査の結果、プランクトンネットの大小にほとんど差異は見られなかったが、水深においては差が生まれた。水深6mでは5種、水深28mでは14種、水深42mでは6種の生物を観察できた。もっとも多様なのは水深28mの時であり、刺胞動物やエビなどの節足動物の幼生なども観察できた。また、水族館での観察では、サギフエやヘコアユといった魚が実際に水槽中のプランクトンを採餌する様子を観察することができた。
 まとめ
・結論
 プランクトンの個体数・種数ともに水深と深い相関関係があると考えていたが、結果は水深28mが個体数・種数ともに最も多く観察できた。植物プランクトンが多い場所には動物プランクトンが種数・個体数共に多く,また水族館での観察の結果から,それらの場所では小魚が多く生息していることも予想でき,海の食物連鎖が成り立っていることを確認できた。
 展望  海の生態系をプランクトンが支えていることを実際に観察することができた。それではなぜ、水深や個体数によって差ができるのか、新たな問いとして今後の課題としていきたい。

 

都市型河川のスズキの形態変化 ~東京湾奥の運河に生息するスズキの生息環境による変異~
 研究目的  運河地域に住むスズキは個体差が大きく、色、太り具合、ヒレの色や形などが個体によって大きく異なっている。なぜその差が生じるのか。昨年度行った、隅田川周辺の都市型河川の生態系の研究の続きとして、スズキの形態変化の研究を行った。
 研究方法  文献調査の結果、個体差の原因が「居着き」か「回遊型」かという点で大別できることがわかった。そこで、スズキを釣り、観察し、居着きか回遊型かを見極め、そのスズキが釣れた場所の環境などから分かる情報を基になぜそのような体になったのかを考察した。
 研究結果  運河で多くスズキが見られる7~8月に調査を行った結果、12個体のスズキを釣ることができた。うち、居着きと思われる個体は10個体、回遊型と思われる個体は2個体であった。体色を3段階に評価した結果、黒い体色の個体は全て居着き型の個体であった。
 まとめ
・結論
 居着きの個体に見られる、黒い体色の原因は「日焼け」、ギザギザしたヒレの原因は「底付近でエサを待ち伏せた際にできる結果」と考えることができた。また回遊型と思われる個体には、流れの弱い運河には不要な発達したヒレを持つ個体も見られた。
 展望  生物多様性の保全が求められる中、都市型生態系も担うべき役割は大きい。本研究の結果、都市型生態系の環境の変化・起伏に、スズキは見事に適応し、独自の形態を手に入れていることがわかった。今後は、他の生物においてこのような適応は見られるのかが課題となる。

 

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