成城スクールライフ
2020年05月19日
中3・高1:探究活動(「問い」と「仮説」を作ろう)

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高1が書いてくれた「問い」と「仮説」のワードクラウド

5月10日(日)に本校ではWEB配信での入学式ならびに始業式が行われ、5月11日(月)よりWEB上で正課業が行われております。5月からの始業となりましたが、それまでの間、本校の教員たちはそれぞれできる形で生徒たちに課題配信ならびにそのフォローを行ってまいりました。本日は、そういった始業前の取り組みの1つをご報告させていただきます。

今年度の中3理科2分野の教科担当者は、2年前の2018年度より、中学3年次の授業スケジュールに探究活動を組み入れ、「成城生に最も合致する探究活動の在り方」を模索しながら、授業を構築してきました。

しかしながら、今年度はコロナウイルスの影響のため、始業が遅れてしまい、本来のスケジュールで授業を進めることができません。本来のスケジュールであれば、はじめにゴールデンウイークに向かい、春の生物の観察を行うための準備が行われるはずでした。気温の上昇と共に、活発的に動き始める生き物たちの力強い生命活動に気づいてほしいという願いから始まった課題でした。

十分な対面での指導の時間ができない中、むしろそれを強みに変えるべく、今年度行った取り組みは「問い」と「仮説」のトレーニングをより多く積むという点でした。

探究活動の多くは、
(1)「問い」…自分の疑問。
(2)「仮説」…疑問に対する仮説。(自分なりの答え)
(3)「実験(調査)」…その仮説を証明する実験(調査)。
(4)「結果・考察」… その実験(調査)の結果、ならびに導ける考察。
というストーリーでできています。

この「問い」に対し「仮説」を立てる、というプロセスは探究活動の最も根幹となるプロセスであり、良い「問い」を立てられれば、それだけで素晴らしい探究活動になります。そして、生徒本人の人生を豊かにさせるスキルとなります。

検討の結果、今年度の4月5月の間は、問いと仮説の基本的なプロセスを教えると共に、「様々なトピックスを生徒に紹介し、その『問い(疑問)』に対する『仮説』を立てる練習を行う」という課題を複数行うことにしました。

初回の課題は、その時期の学術分野のトップニュース「サイは鳥の声を頼りに人間を避ける―研究成果鳥がいると、人間がサイを見つける確率は40~50%減少-」というものでした。サイと共生する鳥によって、密猟を避けられる可能性を示唆するすばらしい研究です。こちらの記事を読んで、生まれた「問い」に対して「仮説」を立てるという内容でした。
リンク:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/041300231/
(※日経ナショナルジオグラフィック社より転載許可をいただいております。)

この課題は
(1)一度、探究活動の指導を受けた「高1」
(2)初めて、探究活動の指導を受ける「中3」
のどちらにも提示されました。

学年ごとの比較の結果は以下の通りです。

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中3・高1の発育段階の違いはあると思いますが、それぞれ、サイと鳥の共生関係を言語化しようとする努力がうかがえると思います。※ユーザーローカル テキストマイニングツール( http://textmining.userlocal.jp/ )による分析

提出された「問い」と「仮説」の中には、
・サイとアカハシウシツツキのそもそもの共生関係について(片利か相利か)
・なぜ医学的に根拠のないサイのツノを求める人たちがいるのか
・アフリカの環境の中で、なぜこのような共生関係が成りえたのか
といったすぐれたものが多く並びました。

驚くべき点は、「共生」「片利」「相利」といったワードを、感覚的に表現できる生徒がいるところです。中3で学ぶ「生態系」という分野を学んでいない生徒でも、言語化できなくても伝えられることに驚きました。そして、高1生徒たちからは、より優れた「意見」「考察」が並んでおりました。正直、驚かされることばかりであったとのこと。成城生の可能性にはいつも感動します。

不定期ではありますが、この休校期間中の中3・高1の探究活動の指導の結果を、HPの場を借りてご紹介できればと思っています。

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