校長室便り
2016年01月07日
あけましておめでとうございます。

※年末年始の休みの関係で、12月号の公開が年明けになりました。

2016年が明けました。2015年を振り返れば、何と言っても1885年から130年目の年。創立百三十周年という節目でした。新校舎落成、創立記念式典はもちろんのこと、校内では、これを契機に様々な見直しや検討がされました。自修館を始めとする新施設に合わせた校舎使用のルール、新体操着の導入、ホームページリニューアル、中学入学試験のウェブ出願、等々。初めての海外グローバル研修も実現しました。まだまだ改善の余地は多くありますが、とりあえず成城131年目は順調にスタート、したと思います。1月15日からは132年目に入ります。今年もよろしくお願い致します。

 

ホームページの「SCHOOL LIFE」にある「2学期終業式」を御覧になった方は、本校以外の方でも既知のことと思いますが、12月9日、本校国語科の友谷祐介教諭が急性心不全のため逝去されました。高校3年の担任、中学サッカー部顧問を担当され、前日まで元気に出勤されていただけに学校全体が大きなショックで包まれました。前夜礼拝(お通夜)と葬礼拝(告別式)には多くの在校生、保護者、卒業生が駆けつけ、式場となった教会は無念の思いであふれました。これからが期待されていた44歳という短き生涯でした。謹んでご冥福をお祈り致します。

 

成城は今、大きな歴史の転換点にあります。素晴らしいことも大変なことも様々あった2015年はめまぐるしい速さで過ぎ去りました。何か新しいものを生み出すための「生みの苦しみ」とも思えます。しっかりと乗り越えていきます。

 

年が明け、まずは大学入試、中高入試が本番を迎えます。新年が成城生にとって希望の年となりますように、また受験生の期待を裏切ることのないように、「チーム成城」一丸となって成城を盛り上げていこうと思います。

 

さて、「校長室だより12月号」のニュースの紹介をします。

 

1.福井県訪問

福井県にある高志高校はSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)とSGH(スーパー・グローバル・イスクール)の両指定を受けた県立高校です。高志高校の校長先生が何回か成城を訪問してくださり、その際に都立高校改革時代の話を私にしてほしいと頼まれました。ようやく日程の調整ができ、12月10日(金)と11日(土)に福井で教員対象研究会の形で開催されることに決まりました。直前に友谷先生の訃報が入り、取りやめることも考えましたが、準備をされている先方に迷惑をかけるわけにもいかず、結果的にお通夜も告別式にも参加できる日程となったので思い切って行かせてもらうことにしました。初めて乗る北陸新幹線は全席指定席で、車内は全席でコンピュータが使え、私も隣の席に座っているビジネスマンを真似て、講演のパワーポイントのチェックをして過ごしました。福井に行った大きな理由は、講演の後に福井県の学校を見せてもらい、福井県の生徒達に会ってみたいというのが正直なところです。なぜなら、全国学力調査のいずれの教科においても毎年のように全国1位~3位にあり、体力調査でも優れています。本質的な原因は何なのか、知りたいと思いました。

福井の学校に一歩入ると感じるのが、生徒達が、見ず知らずの私に大きな声で挨拶をすることです。先生方と話すと、皆大変教育熱心で、いい雰囲気、いい環境を作っているな、と肌で感じました。そして、学校は、高い目標を掲げていること、生徒達への習慣形成がしっかりと意識されていること、地域が温かく、皆で地域を大切にしていることなどが段々と伝わってきました。よく考えてみると、これらのことは私が都立高校改革での経験から学んだことと相通じるものがあります。今回知り合った先生方と今後も引き続き議論を重ね、成城の教育のために還元していきたいと思っています。

土曜日でした。空き教室を「自習室」にした部屋で勉強する生徒達が大勢いました。

土曜日でした。空き教室を「自習室」にした部屋で勉強する生徒達が大勢いました。

図書室です。暖房は石油ストーブ。北陸の学校では普通の風景で、石油の給油時間帯が掲示されていました。

図書室です。暖房は石油ストーブ。北陸の学校では普通の風景で、石油の給油時間帯が掲示されていました。

 


翌日は土曜日で、「土曜授業」を見学しました。公立学校では、私立のように土曜日に通常の授業はありません。その代り可能な範囲で「特別授業」などが計画的に行われます。この日、実は前任校小石川を退職した数学教師による特別授業があり、一緒に参加しました。3コマ連続の授業でしたが、特に男子生徒の反応がよく、楽しい授業でした。

「英語で数式を読む」というテーマの授業のほか、トピックを扱った授業の振り返りをしました。

2.竜田先生講演会

12月16日(水)、近くにある早稲田大学の名誉教授、栄誉フェローである竜田邦明先生をお招きして、「自然に学び自然を超す『知識を知恵に』」というテーマでご講演をいただきました

竜田先生は慶応義塾大学の医学部のご出身で、世界の名門大学で研究を重ねられ、様々な研究成果が多方面から評価されていらっしゃる素晴らしいご経歴の持ち主の先生です。

先生のご専門は化学ですが、学問的なお話というより、創薬にまつわる研究概念や方法などを大変わかりやすくしてくださいました。

「ピラミッドも上からは作れない」「奇をてらうでもなく、平凡でもなく」「感動は知恵に繋がるが、知識は感動に繋がらない」「知るだけでは不十分、意思だけでは不十分」「人の役に立たなければ化学(科学)ではない」等々、ご研究を積み上げてきた竜田先生ならではのメッセージが心に響きました。

生徒達からの質問にも、質問者のそばまで近づいて丁寧にお答えくださり大変好評のうちに終わりました。

この日は12月考査の成績記載日で、教員も生徒も大忙しの日であったため、思うように参加者が集められず、そのことだけが残念です。先生のご講演を聞いた方からも、もっともっと多くの人々に聞いてほしかったとの感想が寄せられました。

北里大学の大村智教授が寄生虫治療薬を開発されノーベル賞を受賞されましたが、その大村先生の推薦人の一人が竜田先生です。素晴らしい先生と成城生との出会いを大切に、どこかでもう一度企画したいと思っています。その時は皆さんどうぞご参加ください。

 

「先生、毎月読ませてもらっていますよ。」という声に励まされ、校長室から見える景色を気儘に綴って3年目になりました。いつもお読みくださりありがとうございます。

今年も、私の目から見た成城のよさや気づきをお伝えしたいと思います。

 

平成28年1月4日

学校法人成城学校
成城中学高等学校
校長 栗原卯田子

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