成城スクールライフ
2019年07月12日
中学第2学年国語1「討論」

グローバル化が進む中で、自分の意見を持ち、相手に伝えたり、相手の意見を聞き、尊重したり、よりよい解決策へと導いていく力が求められていると言われています。既成の選択肢から条件にあったものを選ぶという力だけではなく、選択肢の何もないところから材料を集めて自分の意見をまとめる力、対立や葛藤のある選択肢を調整して新たな選択肢を編み出す力が必要になることが増えてくるのではないでしょうか。

そんな新時代の要望に応えられるリーダーの育成ということを意識し、中学2年生の国語の授業で、討論(ディベート)を行いました。題材は、安部公房の『鞄』という小説において、作中に出てくる「鞄」が何を象徴しているかということ。個人で考え、それを班で共有し、班での見解をまとめ、全体に発表し、討論をするという形での実施でした。中学へ入学してから本格的に討論をするのは初めてだということで、今回はルールをシンプルに、①発表する時は、聞き手にとって聞きやすい声の大きさ・話す速度で説明すること、②自分や班の意見を発表する際は、必ず根拠を述べること、③聞き手側の時は、相手の話を最後まで聞き、必ずリアクション(疑問点の確認・質問や反論)をすること、の3点に絞りました。

始めは、いつもと異なる試みということもあり、また、抽象的な観念を論じるということもあったためか、緊張やためらいでなかなか議論が捗らなかったところもあったようですが、5分、10分と時間が経つにつれて、いつの間にか白熱した議論になっていました。思ったことをそのまま口にすることはあっても、明確な根拠を添えて相手に伝えるということはあまり意識しない、あるいは実践していないのが常なので、かなり考え込んでから発言をすることに苦戦する生徒も。それぞれが目を皿にして本文から根拠を探し、夢中で自分の理論を組み立てていました。考えに考えた意見が相手に伝わり、理解を得られた時には達成感に溢れる表情でした。議長や書記の役を率先して引き受ける生徒や対立意見を掘り下げる生徒もさることながら、普段は大人しい生徒が冷静に相手の意見の根拠の矛盾をついたり、受け身になりがちな生徒が班のメンバーに解釈した内容の確認をしたり、いつもとは異なる一面も見られました。同年齢の班のメンバーとやりとりをすることで、テーマを自分のこととして捉えることができたり、教え合いによって理解を深めていたりしたようです。予想以上に議論が盛り上がり、小説という自分の世界とは関わりのない世界を自分のものとして考えられ、良い意味でむきになることができていました。

対立する意見にも耳を傾ける。

対立する意見にも耳を傾ける。

わかりやすく伝わりやすい説明を心がけて発表する。

わかりやすく伝わりやすい説明を心がけて発表する。

黒板で各班の意見を確認しながら比較して説明する。

黒板で各班の意見を確認しながら比較して説明する。

根拠を添えて反論をする。

根拠を添えて反論をする。

身振り手振りで一所懸命に伝える。

身振り手振りで一所懸命に伝える。

議論に熱が入る。みんなが引き込まれていく。

議論に熱が入る。みんなが引き込まれていく。

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