校長室便り
2018年05月31日
見えないつながり・人として生きること

5月に入って、男の子や女の子を持つ保護者を対象にして、「思春期の成長」について話をする機会がありました。実際、思春期には目を見張る変化があります。経験をもとにした話でしたが「感動しました。」「勉強になりました。」等と声をかけて下さいました。それらの声の中に、「話の中に出ていたのは○○君ですよね? たまたま知り合いなのでお母様に伝えておきますね!」・・・と言われて驚きました。

全く関係のない世界で、思いもかけないところで、「見えないつながり」があるものですね。

1. 校外課業

5月1日と2日に、中学1年生の校外課業で富士吉田市方面に同行しました。富士山 - コピー - コピー

富士山の周辺で樹海探検や洞窟探検をして自然を学ぶとともに、トレッキングやクラスでの時間を通しての友達づくりや学級の結束力を高めることが目的でした。

樹海探検2 - コピー - コピー 樹海探検 - コピー - コピー

風穴

樹海や洞窟はガイドさんと一緒に歩きます。説明が分かりやすくて「ぶらタモリ」のようで、楽しみながら勉強できました。クラス毎の取り組みは個性的で、早くもクラスの特徴が出ていました。

クラス2 - コピー - コピー

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本来の目的が十分発揮された中1の校外課業でした。これからの1年生の活躍がとても楽しみです。

 

2. 図書委員会インタビュー

図書委員会の発行誌に教員のインタビュー記事を掲載したいと、図書委員会の生徒が私に依頼に来ました。結果、連休明けに校長室でインタビューを受け、私が高校時代に印象深かった本をいくつか紹介しました。生徒達に次々と質問をされて楽しい時間を過ごしました。「これで十分書けます。」と生徒が終了宣言。6月に発行するそうで楽しみです。

図書委員会インタビュー - コピー - コピー

3. ベル先生のご親族が校長室を訪問

以前この校長室だよりで紹介したことがありますが、大正から昭和の時代にかけて本校で英語を教えていたエリック・ベル先生という方がいました。ベル先生の実兄のお孫様がこのほどご夫婦でオーストラリアのキャンベラから来日され、本校を訪ねました。お二人で、ベル先生の生涯を研究されていて、今回は本校と当時の資料をご覧になることが目的でした。

夫妻訪問 - コピー - コピー

ご主人から「オーストラリアに行ったたことはありますか」と聞かれ「何度もありますよ。アデレード、シドニー、ブリスベン、ゴールドコースト、・・・。農業地域でご存知ないかもしれませんが、トゥーンバというところで、本校生徒が研修しています。」と答えて、校長室の壁に貼ってあるトゥーンバの地図を見せました。すると、グラマースクールを指して「親族が通っていた学校です。ご存知ですか。」と聞かれました。何とそれは、私が去年6月に訪問した私立伝統男子校です。

ということで、肝心のベル先生の話に入る前にトゥーンバの話で盛り上がってしまいました。冒頭に書きました「見えないつながり」はここにもありました。

トゥーンバ・グラマースクールは1875年の創立で、本校より10年前にできた名門男子校。戦前より数多くの人材を輩出してきた学校です。この学校の玄関にも、戦前の写真が展示されていたのを思い出します。伝統校の歴史は奥が深く、また好奇心を掻き立てますね。

4. 中学野球部優勝旗と藪投手来校

千代田区、文京区、新宿区の3区で親善野球大会を実施しています。

昨年11月に行われた「第34回三区親善少年野球大会」で本校中学野球部が優勝し、5月19日にライオンズクラブより優勝旗が贈呈され、授与式を行いました。

優勝旗300519

関係者のお力添えで、元阪神の藪投手が来校されました。優勝旗授与に加えて、部員たちに野球の指導をしていただきました。最後に、歓談の中でアメリカでの生活の話をされ、また、生徒一人ひとりに色紙にサインを書いて手渡して下さるなど、とても気さくで、なごやかに授与式を終えました。

サイン会 - コピー - コピー 藪投手のご指導

野球部の皆さん、讃えられた栄誉に恥じぬよう、また、野球部以外で活躍している皆さんも、文武に精励して成城を盛り上げていきましょう。

5. 今夏のグローバル研修

今年の夏に実施する「エンパワーメント・プログラム」、「台湾研修」、「オーストラリア研修」の合同説明会を4月に行いましたが、提出書類、面接などを経て、5月にはすべての研修のメンバーが決定しました。

スケジュールを確認して、顧問などとよく相談してから申し込むこととなっていますので、以後の辞退は原則認めていません。早速、それぞれの研修で事前研修が始まりました。

トゥーンバで行うオーストラリア研修では、結団式とも言える「キックオフ・オリエンテーション」を5月半ばに実施し、リーダー決めや目標設定などを始めました。

台湾研修では、大学の準教授として台湾の教育史を研究されている本校の卒業生に、6月に講義をしていただき、事前学習を深めていく予定です。

エンパワーメントプログラムを含めたいずれの研修も、当日だけのイベントとしてではなく、事前学習、本番、振り返り、事後の研修を積み上げて行きます。そして最後に、研修報告会で、1年がかりで取り組んだ自分の成果を発表できるよう、しっかり頑張ってほしいと思っています。

6. プール開き

5月26日、5月考査の最終日、恒例の「プール開き」が行われました。

今年は土曜日で、師親会(PTA)の委員会と時間が重なってしまいました。プール開きを村岡教頭に、師親会委員会を岩本教頭と私で対応することになりました。

安全祈願の儀式として、滞りなく終えられたと報告を受けてほっとしました。プールでの授業、部活動、臨海学校の準備、ウォーターボーイズなど、すべてが事故なく実施されるよう、施設の点検や生徒指導も含め、安全に留意していきます。

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7. 人として (アンソニー・トゥー先生のこと)

既にこの校長室便りで紹介してきたアメリカのコロラド大学名誉教授のアンソニー・トゥー先生が5月23日の毎日新聞の記事に掲載されていました。毒物研究を専門としている科学者です。

記事は、化学兵器の神経剤VXに関する論文を、オウム事件の中川死刑囚と連名で出し学術誌に掲載されたという記事でした。

トゥー先生からもそれを知らせるメールが私に届きました。拘置所で執筆した論文が学術専門誌に掲載されるのは異例なことです。トゥー先生は、当初はテロ対策の目的ということで中川死刑囚と面会を許されていて、金正男氏の暗殺事件においても情報提供をされるなど、科学者として奮闘されていました。今回のことで、トゥー先生が中川死刑囚との面会を何度も重ねていた訳がようやく分かりました。中川死刑囚の「自分の経験を社会に役立てたい」という最後の思いに応えようとしていた科学者としての先生の気持ちが伝わって、これまでのことを振り返りました。オウム事件の被害者のことを思うと複雑ですが、アンソニー・トゥー先生の「人として」凛と生きていく姿にハッとし、考えさせられました。


人は見えないところで繋がっています。この「つながり」をどのように生かして、よりよい社会にしていくのか。このブログを書きながら、ここには書ききれない「見えないつながり」に、いろんなことを感じ考えました。

さて、本校では、新年度に入って数回、テーマを設定して、全教員による「グループディスカッション」が実施されました。昨日、その結果のまとめを各グループリーダーが発表しました。社会的にも価値観の多様化が進み、「合意形成」ということがとても難しい時代だと思っています。意見はバラバラでも、コミュニケーションを大切に皆でしっかり情報を共有していくと、一人ひとりに参画意識が生まれます。地味でもこのようなことが大切だと思っています。生徒も先生も、「つながり」「思い」を大切にしながら「チーム成城」として皆で頑張っていきたいと思っています。

平成30年5月31日

校長 栗原卯田子

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