スカパーJSAT・横浜衛星管制センター見学
運動会の代休を利用して、中学3年生5名が「スカパーJSAT・横浜衛星管制センター」を見学しました。
彼らの研究テーマは「メディアと民主主義」であり、今回の見学はその学びの一環として実現したものです。見学の申し込みから日程調整まで、すべて生徒自身が行ったため、私はどのような段取りなのかを知らないまま現地に向かいました。
当日はまず、スカパーJSATが手がける3つの主要事業について説明を受け、その後、施設内を見学しました。スカパーJSATでは現在17機の静止衛星を運用しており、人工衛星を活用した多様な通信事業を展開しています。たとえば、船舶や航空機へのインターネット回線の提供もその一つで、飛行機でインターネットが利用できるのはスカパーJSATの技術によるものだと知り、驚かされました。
施設内では、多数のモニターで通信状態を24時間体制で監視し、通信が途切れないよう常にチェックが行われています。さらに、敷地内に設置された大きなパラボラアンテナを通じて人工衛星と通信を行い、さまざまなデータの送受信を行っているとの説明を受けました。
電波そのものは目に見えませんが、目の前に広がる巨大なアンテナを前に、そのスケールの大きさと技術の精緻さに深い感動を覚えました。
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人工衛星の姿勢は、現在では「3軸制御」という方法で保たれており、微量の燃料を噴射してアンテナの向きを細かく調整しているそうです。
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人工衛星の通信に必要な電力は太陽光パネルによって供給されており、そのパネルの向きが常に太陽の方向を向くように制御されているそうです。
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パラボラアンテナは、静止衛星の方向に向けて固定されており、常に同じ位置を捉えるように設定されています。最も影響を受けやすいのは風だそうですが、風速70m/秒にも耐えられる構造になっているとのことでした。
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このアンテナは、センター内で最も古いものだそうです。360°全方位に向けることができる唯一のアンテナで、現在も現役で使用されている貴重な設備です。
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アンテナの裏側に目を向けると、先ほどのアンテナとは少し構造が異なっていました。裏面はパネルで覆われており、降雪時にはヒーターで積もった雪を溶かす装置が備えられているそうです。
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気づけば2時間以上もお世話になっていました。衛星通信にかかわる貴重なお話をうかがうことができ、とても充実した時間となりました。ご案内くださったスカパーJSATの皆さま、ありがとうございました。