教育方針

本校の校訓や校歌には「自学自習」がうたわれ、前述の「学習十五則」では、その方法論が記載されています。中学では、基礎学力の養成と「自学自習」の習慣化に努めます。高校では、進路別クラス編成となり、高校2年から文系・理系の2コースに分かれます。2021年度から中高完全一貫校化したことにともない、カリキュラムを改編中です。

校訓

 

常に自ら学習する習慣を作るは既に得たる知識よりも、其価値遙に大なり

行動指針として継承されているのが、校訓「自学自習」「質実剛健」「敬愛親和」「自治自律」です。学習面では、特に「自学自習」が重視され、校歌や学習十五則にもうたわれ、大正時代にはこの方針の下に「自修館」という図書室兼自習室が設置されました。現在の自修館は、生徒をサポートするチューターが常駐して、夜6時30分まで開館しています。「常に自ら学習する習慣を作るは既に得たる知識よりも、其価値遙に大なり」(学習十五則)の教えを具現する場ともいえます。

校章の由来

本校の校章は「三光星」を呼ばれ「知」「仁」「勇」を表します

 

「哲夫成城」-哲夫ハ城ヲ成ス

創立の翌年、「成城学校」と改称しました。中国古典『詩経』の「哲夫成城」に由来する校名には、「知徳に優れたリーダー育成」という建学の精神が込められています。

「哲夫成城」の「哲夫」とは、国家に貢献する「知徳に優れた男子」のことです。それは、儒教において基本的な3つの徳「知・仁・勇」を備えた人間であり、当時の生徒によりデザインされた校章「三光星」がその象徴として受け継がれています。

知:

校歌

荒井本治 作詞  梁田 貞 作曲

1.
横雲匂う黎明の
新き(わかき)日本の使命を伸べん
高き希望に輝くわれら
自学自習の誓いぞかたく
自由の息吹に校風あがる
成城健児の誇りを見よや
ああ わが われらが われらが 成城

2.
源とおき東洋の
文華あらたに四海を照らす
新き時代に掉さすわれた
輝く行くてに人文ひらき
不朽の光をこの世に揚げん
成城健児の理想を見よや
ああ わが われらが われらが 成城

学習十五則

本校には、古くから伝わる「学習十五則」があります。これは学習の要諦をまとめたもので、学習習慣の重要性、時間の使い方、理解のメカニズム、課題解決学習など、校訓「自学自習」の精神に貫かれた本校の財産です。生徒手帳に掲載しています。

一、
常に自ら学習する習慣を作るは既に得たる知識よりも、其価値遙に大なり。

二、
机に向はば直に精神を集中せよ。書冊に対して茫然時間を逸するの愚を学ぶことなかれ。

三、
時間を最善に利用せよ。同じき課程を更に少き時間にて収め、同じき時間に更に多く学ぶことを心懸くべし。

四、
計画なきものに収穫あることなし。予習復習に対しては、必ず一定の計画を定めて適当の時間を配当すべし。

五、
書を読むには、先ずその大略に通じて、後更に精研すべし。筆を執るには、先ず其想の要所を整へよ。問題を解くには先づ其要所を捉へよ。

六、
今日解する能はずんば、明日更に試みよ。解し得ざるも常に之を念頭におかば他日必ず解し得る期あらん。

七、
学習して群疑の続出するを歎ずることなかれ。疑問は蓋し発明の母なり。

八、
頭脳を最も清新にして、効果ある場合に使用せよ。十分の睡眠と適度の運動とは、頭脳を敏活にする最大滋養物なり。

九、
活用せられざる知識は、真の知識にあらず、教科書は之を活用して他書を解し得るに至って、初めて価値あり。

十、
教科書参考書にある目録・索引・摘要・注解・地図・挿画等は之を自在に使用する様にせよ。

十一、
常に自力にて問題を解くことをつとめよ。自己を創造するの道は、事物に対して自己の判断を下すにあり。

十二、
問ふに躊躇する勿れ。答ふるに逡巡する勿れ。伏蔵せらるる疑問は氷解する時を得ず。発表せられざる思想は洗練せらるる機を失ふ。

十三、
知識は精確にして綿密なるを尚ぶ。條理井然として組織あり系統あるべし。

十四、
学問に関係ある事物は、其の人事たると自然現象たるとを問はず、之を観察し実験して、以て研究資料とせよ。学習は、必ずしも教室の内、書物の上には限らざるなり。

十五、
学習せる知識技能は常に之を日常生活に応用することを力むべし。深淳なる知識技能は、蓋し応用醇熟の結果なり。