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自転車競技部:第87回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース

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残り1周、フィニッシュを目指す力走

 

自転車競技部は、平成30年6月23日に島根県益田市で行われた第87回全日本自転車競技選手権大会ロード・レースに参加してきました。このレースには日本全国から厳しい参加基準をクリアした選手が集い、日本一の座を競います。

成城高等学校自転車競技部からは高3の藤本が男子ジュニアにエントリーしました。藤本は地道な練習を続けてインターハイを目指していましたが、その選考レースである関東大会が荒天で中止となり、都大会の成績で選手選考が行われた結果、不運にも参加資格を得ることができませんでした。藤本はそれでも腐ることなく、すでに出場権を得ていた全日本選手権に照準を切り替えて、万全のコンディションで島根入りしました。

レースは1周14.2kmの公道周回コースを6周、総距離85kmで争われました。藤本は2周目の途中までは先頭集団に位置していましたが、3周目には先頭から1分15秒遅れの第2集団で体力を温存、国内最高峰のレースでの完走を目指しました。その後は落車に巻き込まれてリタイアこそ免れたものの自転車競技では不利な小集団での走行を余儀なくされ、先頭との差は、4周目には3分45秒、5周目には6分と確実に拡がり続けました。そして6周目には9分遅れとなり、最終周回に入る最終走者となりました。つまり、藤本より後方の走者はすべてDNF(Did Not Finish/途中棄権)扱いとなったのです。

それでも藤本の激走は続きました。両脚が痙攣しながらもペダルを踏み続け、2人を抜いてフィニッシュを目指したのです。そして……

無情にも、藤本はフィニッシュラインの10数m手前で役員に制止されました。完走ならず。公式記録は、先頭のゴールタイムから5%以上遅れると適用される、FAD(Finish After Deadline/制限時間切れ)となりました。

体力の限りを尽くしたのでしょう、レース後の藤本はしばらく自転車から降りることもできませんでした。完走できなかった無念さは確かにあったでしょう。しかし、その表情には、このレースに向けて準備をすべきことをすべてやり、実力を出し切った満足感と充実感が見えました。

その後、藤本は早々に第一志望校の合格を勝ち取り、11月の校内マラソン大会では全校6位に輝くなど、各方面で活躍を続けています。現在の目標は、来年の全日本自転車競技選手権大会ロード・レースに完走することだそうで、今から闘志を燃やしています。

しばらくは、その後姿をお手本として後輩に見せ続けてくれるでしょう。成城を卒業後も、競技者として、大学生として、社会人として大きく成長してくれることを期待しています。

 

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日本では珍しい公道レース

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スタート直前

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長い旅の始まりです

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集団前方に位置する藤本

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Allez!

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Allez! Allez!! Allez!!!

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ラスト1周へ…

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本当によく頑張りました