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校長だより

心が動く、心を動かす

4月14日に起きた「熊本地震」で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。また被災された皆様、突然の恐怖に心身ともに傷つき、地域状況から不便を余儀なくされている皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

本校では生徒会の呼びかけにより4月30日と5月2日の朝に募金活動を行います。これはある朝、門のところで生徒から「何とか力になりたいのでやっていいですか。」と声をかけられて知ったことですが、彼らが主体的に始めた活動です。皆で協力して被災された方々を応援しましょう。

 

さて、新年度が始まったばかりの頃、帰りがけに見た正門前の夜桜がとても綺麗でした。新校舎の完成とともに正門の横に植えられた桜と、その先にある古い大きな桜を眺めていたら、「伝統と創造」というタイトルが浮かび、写真を撮ってしまいました。

堂々と咲く「古い桜の木」

堂々と咲く「古い桜の木」

大きくなった「2年目の桜」

大きくなった「2年目の桜」

 


 

 

1.入学式

4月6日午前10時中学校入学式の開式です。今年本校に着任された事務局長と、理事長と師親会会長の4人で壇上から293名の中学1年生を迎えました。

式辞では、成城の教育方針と成城生になるにあたっての心構えを伝えました。一人ひとりが文武両道を実践して知・仁・勇を高め、大きく成長してほしいと願っていること、そして、知・仁・勇はいつも君たちの制服に付いていると生徒に向かって言いました。するとその時です。それまで正面の私を見ていた生徒たちのかなりが急に下を向き自分の制服のボタンに目をやりました。「何と素直な生徒たちなのだろう」と嬉しくなりました。壇上から見えた、微笑ましく印象深い光景でした。

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午後1時からは高校の入学式。入学生のほとんどが成城中学からの入学生ですが、厳粛に行われました。式が終わり、壇上のご列席者を先導して退場口に向かっていた時、体育館出口近くの席から声をかけられました。振り向くと昨夏のエンパワーメント・プログラムで来日したカリフォルニア大学バークレー校の女子学生Amyがいました。とても積極的で記憶に残っていた学生ですが、再度日本でしかも本校の入学式で出会うとは思いもよらず、驚きを隠せませんでした。聞けば夏以来SNSによる交流が続いていて、彼女は昨年ホームステイしたご家庭に今回も泊まっていること、そして、昨年中学3年生だった生徒たちが高校に入学することから日本の学校のセレモニーを見たい、日本の桜も…、ということで来日したとのことでした。私にとって、Amyと再会できたことはもちろん、成城生が自然にグローバルな交流をしていることを知り、入学式の感動が一層大きなものになりました。

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入学式には多くの保護者やご家族の方が参列されました。「ホームページの校長室だより、夫も私も毎回楽しみに読んでいますよ。」などと写真撮影の合間にも保護者の皆様から声をかけていただきました。ご家庭での様子なども聞かせてくださったので、新入生のこれからがとても楽しみです。当然のことながら本校への期待の高さも感じ取りました。

 

2.始業式

新入生を迎え3学年が揃って、4月8日に始業式を中、高別々に実施しました。式では、今春の卒業生の話や向上しつつある在校生の日常生活の話をもとに、本校に伝わる「学習十五則」の「一 常に自ら学習する習慣を作るは、既に得たる知識よりも、其価値遙に大なり」の話を丁寧にしました。高い目標を掲げての新学年のスタートです。中学生もまずは文武両道に慣れ、良き習慣を作りましょう。

 

3.保護者会

本校に着任した時に導入したスクールカウンセラー制度も今年4年目に入りました。スクールカウンセラーの先生には各学年の保護者会に可能な限り参加していただいています。今年度も、生徒の発達段階の理解や関わり方など、子育てに関するお話を通して家庭と学校との連携を支援していただきます。

 

4.学友会活動

文武両道主義とはいえ、新入生にとっては通学だけでも大変な時期であるため、「仮入部期間」を置き、現在新入生は様々な学友会 (クラブ・同好会) 活動を無理のない形で体験しているところです。自分に向いている学友会を見つけて、多くの生徒に加入してほしいと思っています。一緒に笑ったり、泣いたり、悩みを語ったりする素晴らしい友を見つけて大きく成長できることでしょう。

 

5.ジャグリング

4月16日(土)午後、ジャグリング同好会の公演がありました。中庭の水道の壁を幕に見立て、音楽に合わせて次々と登場する演者たちは少し緊張気味でしたが周囲に集まった観客を大いに楽しませてくれました。ジャグリング同好会は最近人数が増えて勢いが出てきたなと感じていたところでしたが、4月27日(水)同好会から「部」に昇格することが正式に決定しました。文化部の扱いです。今後は師親会(PTA)からの支援もあり充実していくことと思いますが、成城学校文化部としてより一層の自覚をもって活動し発展させていくことを期待します。

 

6.防災教育を考える

3月29日(火)、順天堂大学大学院医学研究科の坪内暁子先生が代表を務める勉強会がありました。本校は新宿区の避難所に指定されていますが、校舎が新しくなったこともあり、地域と確かな連携をしていくために、本校の周辺にある町会の会長さんや新宿区の特別出張所の方々10人をお誘いして参加しました。

東北大学の災害科学国際研究所の今村文彦所長によるご講演は、3.11の経験による防災教育の重要性を訴えるものでした。医療系メディアの記者の新井哉氏のご講演では、災害時の感染症対策等を含め、情報配信という視点から防災力強化を訴える内容でした。今回の講演会参加をきっかけに、町会長、新宿区特別出張所関係、順天堂大学研究者と「命を守る」という観点で互いに必要な連携をしようと話していた折、今回の熊本地震が発生しました。これから私たちができる範囲で「学校防災力」の一層の強化に取り組みたいと考えています。

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いよいよ5月。連休のあとは学年ごとに実施される「校外課業」です。前述した「一緒に笑ったり、泣いたり、悩みを語ったりする素晴らしい友」と出会うきっかけになるといいですね。気を付けて行ってきてください。

 

平成28年4月30日

学校法人成城学校
成城中学高等学校
校長 栗原卯田子