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校長だより

安全・安心の環境でのびのび思いっきり!!

私は、今夏のオーストラリア研修の打合せと視察のため昨晩ブリスベンより帰国したばかりですが、本校の中学体操部の関東大会出場決定のニュースにワクワクしながら、安全・安心の教育環境で成城生がのびのび思いっきり挑戦していく姿を描こうと7月号を書いています。1学期の終業式までと夏休み中を合わせてお伝えします。

1.成城学校職員が受講した救命講習

本校では安全で安心して学べる環境づくりを目指しています。その一環として、3年毎に教職員を対象に「普通救急救命講習会」を夏休みの前に実施します。成城中高の教員に幼稚園や事務室職員も加わって、今年は総勢18名が受講しました。私自身も数年前に受講しましたが、今回先生方と一緒に参加しました。前回受講したあとに法律が一部改正されていたり、AEDの機械も進化したりしていて再講習は大いに役立ちました。

救命講習受講中

救命講習受講

本校では毎年の臨海学校などにもAEDを持参します。必要な時にいつでも誰もが初期対応として、心肺蘇生法やAEDが使えるように、これからも職員や生徒に講習の機会を設けていきます。

救命技能認定証

救命技能認定証

2.再びの竜田邦明先生講演会

昨年実施した早稲田大学栄誉フェロー竜田邦明名誉教授のご講演が大変好評で、参加できなかった保護者の方々から再びの講演会開催を要望されていました。このほど竜田先生のご厚意により実現いたしました。今回は学校と師親会(PTA)との共催で、ホームページにもご案内を出しましたところ、申し込み者は313名。楽しく盛大に開催することができました。以下の感想文にありますように、素晴らしいご講演で名残惜しく閉会しました。

感想の一部を紹介します。「息子と話すヒントをたくさん頂けました。」「大変面白く、参考になりました。子供の教育に生かす一方で、自分も頑張らねばと改めて思いました。」「やはり学びに基礎が重要だと再認識しました。地道にコツコツと。」「全合成のお話から、教育論、社会論まで、幅広いお話でとても参考になりました。子育てしている中での悩みや疑問に感じていたことに答えが見いだせたような気がします。」「舞台から降り、聴衆の前に出て語りかける、まるで白熱教室のような姿、豊富な文化的な話題(海外の事・アカデミックな事・etc)どんな質問にも真摯に対応し、丁寧に答える姿、時折交えるジョーク、国際社会で活躍される方の空気がたくさん放たれていて、こういうカッコいい雰囲気を放つ人になれたらいいなぁと老若男女が感じることができたと思います。」等々多数の感想が寄せられました。

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頂いた感想にある通り、会場内はユーモアあふれ楽しい雰囲気。竜田先生は参加者の質問にも丁寧にお答えくださり、みなさんに満足していただけた一体感のある素晴らしい講演会となりました。

3.臨海学校(中1)

1925年に全国に先駆けて始められた「成城学校臨海学校」。92年目を迎えるこの行事は終業式の翌日7月17日から3泊4日で行われました。今年の参加は中学1年生が293名、補助員が55名、引率教員が49名総勢約400名の大行事となりました。本校の臨海学校は成城生となるための「通過儀礼」ともいえる行事ですが、全員事故なく全修技を終えることができ、あらたな「成城健児」の誕生となりました。

歴史を彷彿とさせる成城学校臨海学校の旗

歴史を彷彿とさせる成城学校臨海学校の旗

中1は全員、泳力により初級・中級・上級に分けられ、一目で分かるように帽子で色分けされています。各級はさらに小刻みな段階に分けられ、その小グループに数名ずつ高2の補助員と本校教員が加わって修技指導が行われます。初級は海の自然に慣れ親しむことから、上級は遠泳を経験するなど、修技は生徒のレベルに応じて細かく段階別に設定されます。一人ひとりの生徒は自分の目標とチームの目標をもって、いよいよスタート!!

 

赤い帽子の初級の修技は、波に慣れるところからはじまります。

初級(赤帽)の生徒を一人一人面倒見る補助員(黒白の染分け帽)

初級の生徒を一人一人面倒見る補助員(黒白の染分け帽)

中級の中には、上級同様に、沖に行って隊列を作って帰ってくる、という修技に挑戦する班もあります。

中級(黄帽)も沖に行って隊列を組んで泳ぎます。先頭は高2補助員

中級(黄帽)も沖に行って隊列を組んで泳ぎます。先頭は高2補助員

 

白い帽子の上級者が挑戦するのは3日目の最後に行われる遠泳です。例年は90分間の遠泳ですが、今年は天気が良く波が穏やかだったこともあり、結果的に約2時間の遠泳になりました。しかも全員が完泳。これは好条件が重なったことによる特別なできごとでした。

補助員を先頭に入水。

補助員を先頭に入水し、隊列を作って泳ぎだしました。

 

 

補助員を先頭に白い帽子の上級が次々に入水し隊列を作って泳ぎだしました。私は入水前の生徒たちに激励をした後、地元の漁師さんの船に乗りこんで、生徒の隊列の脇から「よーぃしょー!!」と掛け声をかけると泳いでいる生徒たちから「よーぃしょー!!」と返ってきます。

 

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「素晴らしい補助員がそばにいるから大丈夫!!」   漁船から見守っていました

力強く!!   美しく!!

 

沖にいて90分ほど経った頃、遠くの浜から、初級・中級の生徒たちが補助員の指導の下でレクリェーションをしている様子が聞こえてきました。レクを盛り上げる補助員中1の歓声。隊列がゴールに向けて向きを変えていくと、だんたん大きく聞こえてきました。やがてその声は「校歌」に変わり、浜には遠泳隊を迎える2列ができ、泳ぎ切った生徒たちが列の間を通って次々に浜に上がります。「お疲れーっ!!」全員が完泳!! 感動の一コマでした。

 

4.臨海学校(高2補助員)

高校2年生の中から選ばれた補助員の仕事は、修技指導のほかに、早朝から船を出したり、ブイを出したり、水温を測ったり、校旗を掲揚・降納したり・・・多様です。

リヤカーで運ぶ補助員たち

リヤカーで荷物を運んだり・・・

船を海に運び出したり・・・

船を海に運び出したり・・・

 

今年も毎晩、明日の修技に備えての「補助員ミーティング」が開かれ、バディの重要性などしっかりと指導の打ち合わせをしていました。

毎晩行われる補助員ミーティング

補助員同士でミーティング

それぞれに役割を持った補助員。補助員全体のリーダーは「プール開き」の際にプールサイドで一緒に儀式を行った早乙女君。彼は、毎朝の朝礼を仕切ったほか、遠泳では先頭を泳ぎました。遠泳隊には8人の補助員が加わり、彼らは見事に役目を果たし、全員完泳に貢献しました。

最後の閉校式で、補助員を代表して早乙女君から後輩たちにメッセージ。「君たちも補助員を目指してほしい」

閉校式で中1に話をする補助員リーダー早乙女君

閉校式で中1に話をする補助員リーダーの早乙女君

男子校の楽しさは「盛り上がり」。遠泳のみならず浜でのレクを盛り上げようと、補助員たちは自分自身も楽しそうでした。「迎え」を盛り上げたのも補助員たちでした。

浜かられ句を盛り上げる声がレ句

漁船から見た浜の景色。レクを盛り上げる補助員たちの声が船の上まで聞こえてきました。

このような海と浜の一体感をはじめ、「みんなで」仕上げた臨海学校。全員が自分の目標を達成して自信に満ちた顔になりました。きっとこれからの自分にもつながっていくことでしょう。

私が着任した頃はやんちゃな中学2年生だった現高校2年生。人としてとても大きく逞しくなったと成長ぶりに改めて感激。「補助員なくしてこの行事はできない」と、伝統校のよさをしみじみと感じました。伝統を受け継いで成長していく生徒たちを私は誇りに思っています。

5.進学講習

恒例の夏期進学講習は、今年は7月19日から6期にわたって開催されます。進路指導室が改善され、自修館のチューターは夏休み中も毎日常駐しています。やるのは自分。成城は自学自習が校訓です。

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6.台北駐日代表処訪問

今夏の台湾研修の参加者を連れて、今年台湾研修を引率する村田先生と一緒に、7月25日に台湾駐日代表処を「事前研修」として訪問しました。教育部が対応してくださり、台湾を紹介するビデオで始まりました。参加生徒の中に、昨年の台湾研修に参加したリピーターがいて、昨年のことを振り返りながら私にこんなことを話してくれました。「僕は昨年台湾研修に参加して言葉がわからなく、物凄く悔しい思いをしました。帰ってきてからめちゃくちゃ勉強をはじめました。」猛勉強をして1年がたち成績も上がってきたそうです。中国語も習い始めたそうで、この日の質疑応答では中国語で質問するなど、大変前向きでした。彼をはじめ、今年の参加者たちの台湾での挑戦を今から大変楽しみにしています。

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本校のグローバル研修は、自分が生きる時代の状況や変化をとらえ、自分のこと・自分の生き方などを自分で考え自分で行動していくことが最終目的です。台湾とオーストラリアで実施する海外研修は今年2年目になります。

 

7.オーストラリアへ表敬訪問と事前打ち合わせ

オーストラリア研修に今年参加を希望する生徒は、昨年以上に多数でした。にもかかわらず、今年は昨年より募集規模を縮小しました。理由は、「本校と方針を共有する相手校を決め、その学校の家庭に、成城生がシングルステイ(日本人が自分一人だけでホームステイ)するため」です。

実はこれを「安全に」「確実に」実施することは大変手がかかりますし困難なことですが。しかし、成城生のためにまずこの形を完成させたいと思っています。そう考えて、今年は昨年とホストスクールを変更することになり、校長先生やコーディネーターの方にお目にかかり進捗状況やプログラムを確認することを目的に、私は、視察と表敬訪問も兼ねて7月28日からブリスべンに一人旅をしてきました。

早朝到着したブリスベン空港でクィーンズランド州政府の方たちと待ち合わせをして訪問を開始しました。

今年からお世話になる学校です。海が近く、広大です。

今年からお世話になる学校。中高一貫の共学校で、海が近く、敷地は広大です。

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この日はスポーツデーで、下に見える芝のグラウンドで全員がスポーツ大会をしていました。

 

当日はスポーツデーで全員がグラウンドに出ていて教室はガラリとしていました。数名の生徒と話しましたが、生徒たちは明るく元気で運動が大好きという感じでした。

 

続いてもう一校に。こちらは、昨年お世話になった学校ですので、校長先生とコーディネーターと打ち合わせをしました。

昨年おせわになった先生と打ち合わせ

昨年おせわになった先生たちと打ち合わせ

プログラムコーディネーターとホストファミリーコーディネーター。 手前は体育の先生

 

最後に訪問したのは、今年からスポーツでお世話になる州立のカラマンディ・レクレーションセンターです。

今年からお世話になる州立のレクレーションセンターの全体図。海が近く様々なメニューを可能にする施設です。

今年からお世話になる州立のレクレーションセンターの全体図。海が近く様々なメニューを可能にする施設です。

このような道案内が必要な広大な施設です。

このような道案内が必要な広大な施設です。

様々な研修施設と宿泊施設を案内してくださり、加えて計画中の研修内容、安全面や健康管理に関わる説明をしてもらい、予定滞在時間をかなりオーバーしてしまいました。また、敷地から海へ行く木道が整備されていて、海まで案内してもらい、とても美しい景色に感動しました。

 

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私が立つと高さがよく分かります。

 

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宿泊棟の一部です。

 

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限られた時間で視察・見学、ミーティング等ハードな行程でしたが、今年の研修にとって有意義で、来てよかったと思うことばかりでした。生徒たちが出発するまでに、グローバル委員の先生方としっかり準備して研修を成功させたいと思っています。

 

8.体操部関東大会出場決定

北区滝野川体育館で第55回東京都中学校総合体育大会、第64回東京都中学校体操競技選手権大会、第47回関東中学校体操競技選手権大会選考会が行われました。成城中学校体操部は7月26日に規定演技で団体第二位、27日には自由演技で引き続き団体第二位を維持し、東京都代表として茨城県笠松運動公園体育館で開催される関東大会出場権を獲得しました。都大会団体総合二位入賞、関東大会出場です。おめでとう!!

 

生徒たちの努力と活躍が今から楽しみです。暑い夏休みはまだ1か月続きます。皆様どうぞご自愛ください。

平成28年7月31日

学校法人成城学校
成城中学高等学校
校長 栗原卯田子