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校長だより

9月といえば成城祭

9月号を書く頃は毎年通学路に金木犀の香りがしてきます。9月は台風や秋霖の季節でもあり、着任した2013年度、台風接近のため文化祭二日目を中止にし、結果として出番を失くした生徒たちのために別日に特別公演を設定しました。台風が来ると思い出すことです。今年も成城祭二日目に台風の接近が予報されましたが、事前に「二日目の1時間短縮」を決め、全団体の出番確保をするようタイムテーブルを変更してスタートしました。時間短縮にもかかわらず、生徒たちは見事にやり終えました。9月といえば成城祭。成長した生徒たちの姿を振り返ってみます。

1.【テーマ】「躍」 (おどる)

プログラムを作成していた7月頃、今年の文化祭テーマに込められた思いを委員長たちに聞きました。「躍」 (おどる) は、皆が一体となって「躍動」する思い、「心躍る」モノにして思いっきり盛り上げたいという思いとのことでした。文化祭当日に校舎正面の渡り廊下に出現した手描きのマッピングにも、わくわく感が込められています。中学運動会の日まで飾られていますので機会があればご覧ください。

文化祭会場は、共学校とは異なる独特の空気が至る所に漂っていて盛り上がっていました。元気一杯躍ったか・主人公になり躍っていたか・ワクワクして躍っていたか、そんな観点で紹介したいと思いますが、全てを見られたわけではありませんので、個人的な感想と思ってください。

2.【クラス企画】

全体的に活気があり、ハッとするような企画がありました。中学生の活躍が印象的で好感が持てました。一般投票では中学1年E組が一位と聞きましたが私は残念ながら見ることができませんでした。ごめんなさい。中学1年A組の「文房具」は、自分たちに身近な文房具について丁寧に調べた発表でした。生徒の熱心な説明は、買ってみたいと思わせるほど巧みなセールストークでした。

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中学1年C組のシネマも、ゲーム、糸電話などの日常を面白く取り込んでいました。

中学2年G組の「模擬裁判」には、生徒たちによる裁判の進め方を見てみようと中に入りました。法廷の中央に裁判長がいて、被告と弁護人とが真剣な顔をして反論しているところでした。よくよく聞いてみたら、どこでもドアから入ったドラえもんの裁判でした。ユーモアあふれる企画で最後は盛り上がっていました。

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これからが楽しみな中学生たちでした。

高校生は飲食部門が多く、笑顔のおもてなしが印象的でした。今年は食べ物の種類が似ている気がしましたが、どのクラスも装飾で工夫していて表現のレベルが上がったことに驚きました。特殊なチョークを使っての黒板装飾も素晴らしかったです。

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3.【学年企画】

◆中学一年

理科2の「研究ポスターコンテスト」の作品が、今年も5階の廊下を埋め尽くしています。学校説明会の授業見学の際にはぜひご覧ください。

◆中学二年

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「読書ボード」と「理科の自由研究」は国語と理科の学習成果です。国語では、昨年の「本の帯」も素晴らしかったけれど、もう一段アップした感じです。よく本を読んでいますね。理科は研究発表のスタイルでまとめていて、中学2年生にしてはレベルが高くよくやっていると感心しました。

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◆中学三年

沖縄修学旅行の事前学習として取り組んだ「沖縄新聞づくり」。それぞれに個性的で、着眼点に興味・関心の特徴が出ていました。沖縄修学旅行楽しみですね。また、一学期に「マリースクール」の授業に参加した生徒が作成した「理科実験のポスター(英語)」も来場者がよく見ていました。

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◆高校一年

成城オリジナル企画「未来の履歴書」は今や高1の定番企画です。そばにいた高1の生徒に「君は何になりたいの?」「何がきっかけ?」とヒントをもらいながらその生徒のものを無記名の履歴書の中から探してみました。意外にも見つけらるものですよ。一人ひとりの「志」や「個性」が見えて、展示会場を離れがたかったです。普段目立たないけれど、こんなに光る個性をもっているのだと感心しました。希望する進路実現に向けてがんばれ!!

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4.【団体企画】

◆ウォーターボーイズ

ウォーターボーイズは今年で11年目。今年は、プールでの飛び込み事故防止対策として学校としていくつか「制限」を設けたので、どんな演技になるのか心配でした。結果として生徒たちは、これらの制限を守り、自分たちでよく考え工夫して演技を構成していたので、見ていてとても感動しました。その後、教室の展示会場で、男性の来場者が私のところに来て話してくれました。「ウォーターボーイズの最終公演を見て涙しました。最後まであきらめないで頑張る姿。生徒も泣いていましたよ。他校と違う何かを垣間見ました。」と。

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◆体操部のマッスルミュージカル

毎年メキメキ実力をあげている体操部。固唾をのんで見守る中、難しい技を美しく軽やかな素晴らしい演技で観客を魅了させました。演技構成も、ユーモアあふれるMCも、よくまとまっていてお客様を感動させていました。

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体操部8 (1)

◆吹奏楽部

演奏会の構成が全体的に良かったです。

楽器紹介はユニークで、特にパーカッションの選曲がよく楽しめました。リズムが合うともっといいですね。また、文化祭のテーマ「躍る」に合わせ、かわいらしい女子高生に変装して踊ってしまいましたね。「心躍る」曲がたくさん披露され、楽しい演奏会となりました。

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◆ジャグリング部

演技の冒頭で卒業生の赤沢君により創部から文化祭の出演が実現するまでの思いが語られました。春に飯田橋のラムラで発表したときは入学直後で失敗ばかりしていた中学1年生。八割方がそのときの中学1年生で構成されていた集団演技を見て、ずいぶんうまくなったものだと感心しました。また、部員が増えたことも驚きでした。心躍りました。これからが楽しみです。

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◆科学部

沢山の小学生を前に、ワクワクする話術でお客さんに説明する部員たちの姿。炎色反応などの実験ショーや日々の活動報告など、自分たちもとても楽しんでいましたね。

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◆師親会

バザー、喫茶部門で大活躍してくださいました。学校支援事業として大きな成果を上げてくださり心から感謝しています。バザーに献品してくださった皆様にもこの場を借りて感謝申し上げます。

5.【生徒会・文化祭実行委員会】

「これまでにない文化祭」にしようと一生懸命取り組んでいた高校2年生を中心とした姿がとても印象的でした。見えないところで全体の成功に大きく貢献した環境委員会と文化祭実行委員会。毎日遅くまで、準備と片付けに明け暮れている様子でした。何といっても高2のリーダーシップ。文化祭全体至る所で輝いていました。

◆全体としては、研究発表分野では知的に、おもてなし分野ではやさしくノリノリに、スポーツ・芸能分野では思いっきりカッコよく盛り上がっていました。ここに紹介できなかった取り組みがたくさんありますが、限られた時間の中で精一杯取り組んだ生徒たちを心から誇りに思った成城祭でした。これが成城だ! と言わんばかりの勢いを、来年も期待しています。

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始業式で「牛になれ。ウシになってずんずん押して前に進め。」という話をしてスタートした2学期。今日9月30日は「グローバル講演会」で2人の卒業生から、グローバル社会で生きる上で大切な「飛び出す力」についてメッセージをもらいました。どんな小さなことでも何かをきっかけにして、生徒一人ひとりが「自分」を見つけ、志を立てていくといいなと思っています。成城生の「これから」が楽しみです。

平成29年9月30日    栗原 卯田子