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校長だより

令和2年度 オンラインで始業

例年、新年度が始まると、中学1年生を正門近くまで見送る保護者の姿や場所を探して校内をうろうろする生徒の姿を目にします。今年は、緊急事態宣言による休校で門は閉められ、生徒は一人もいません。本校では長引く休校に対して、オンラインではありますが、全学年一斉に新年度を始めることができました。その様子からお伝えします。

1.入学式・始業式

5月7日(木)体育館に入ると、紅白幕が設置され、壇上には国旗、校旗、生花が飾られていました。体育館に職員の方々が用意してくださった撮影用のセットです。理事長、事務局長、中1学年の全先生方、新任教員、教頭、校長が集まり、扉を開けたままの広々とした体育館で「入学式」の録画が始まりました。まずは、舞台正面で立ち位置を確認しました。演壇の右側には校旗が飾られ、今年度着任された岩佐理事長が待機しておられます。

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理事長と校旗

  いよいよ「入学式」の録画が岩本教頭の司会で始まりました。校長式辞、理事長祝辞、学年教員紹介と続きました。全員が初めての「無観客」式典に戸惑い、大変緊張しました。

司会の岩本教頭

司会の岩本教頭

校長式辞

校長式辞

理事長祝辞

理事長祝辞

続いて「始業式」の録画です。こちらは、村岡教頭の司会で進められ、校長式辞、続いて今年度着任された理事長、事務局長、昇任した及川副教頭、そして新任教員の紹介という流れでした。

司会の村岡教頭

司会の村岡教頭

始業式式辞

始業式式辞

岩佐理事長紹介

岩佐理事長紹介

鈴木事務局長紹介

鈴木事務局長紹介

及川副教頭紹介

及川副教頭紹介

いずれの式も本校教員が録画と編集をしてくれました。生徒たちの多くのご家庭では平日は保護者の方が在宅勤務をされておられる状況から、日曜日の配信が良いだろうと、両式とも5月10日(日)に配信しました。準備から配信まで、本校教職員の手作り感満載のオンライン式典となりました。この式典が、翌日11日から順次始まる授業への切り替えとなることを期待しました。

「この難局をみんなで乗り切ろう」これが全教職員の思いです。この機会に、伝統ある「自学自習」の校訓のもと、いかに自分から学ぶ習慣を作るかに挑戦し、一人ひとりが自分なりの「知」と「仁」と「勇」を体現することを目指して、乗り切ってほしいと願っています。

2.オンライン授業開始

本校は、携帯電話持ち込み禁止の学校です。しかし、情報に関わる教育は授業等で熱心に行われています。前回の校長室だよりでもお知らせしましたように、長引く新型コロナウィルスによる休校という思わぬ事態に、これを機会にオンライン授業(遠隔授業)ができないか、という動きが起こり、教頭と情報科の教員が中心となって、全教員に対してGoogleのClassroomを活用する研修を進め、「できる範囲でやろう」という取り組みが始まりました。

生徒も教員も慣れるために時間が必要で試行期間を設けましたが、実は、生徒や教員のネット環境や機器設備の問題が起こりました。制限のある中で十分ではありませんが、先生方は生徒たちと遠隔授業を始めています。具体的には、5月11日から高3は正規授業としてしっかり始まりました。他学年も11日からオリエンテーションをするなどして、様子を見ながら順次配信していきます。18日からは全学年が時間割に沿って授業を受けていくことになっています。委員会も、様々な会議もオンラインでできるようになりました。

4月6日から研修を始めて、現在全員が配信できる体制ができているというスピード。つくづく成城の先生方のパワーはすごいと思います。一方、ご家庭では、多くの方が在宅勤務となり、加えて、ご兄弟のオンライン授業が始まっており、機器も回線も制限されている状況にあることをアンケートにより把握しました。ご家庭のご協力、教員のパワーあっての今です。ようやく出来上がった環境です。生徒の皆さん、困ったらすぐ相談して、しっかり授業についていってください。成城はもう新学期ですよ。

3.取材もオンライン

数日前に、ある出版社からオンライン取材を受けました。「成城に来てどうですか。今感じていることを教えてください。」という問いに「成城高校で学んで、大学に進み、社会へ出ていく生徒の様子が見られることを嬉しく思う。」と答えました。私の着任と同時に成城高校に入学した生徒たちが、大学を卒業する頃となり、ぼちぼち就職の内定先が聞こえてきます。皆それぞれに個性と能力を発揮し活躍しようとしています。彼らと、彼らに続く後輩を思い浮かべながら、取材に対応しました。

たまたまですが、海外の大学に在学している卒業生からも今回の新型コロナウィルスの対応を心配する連絡がきました。共通して、後輩のためにできることはないかと尋ねてくれます。コロナの件が落ち着いたら、できることを見つけてやってみましょうと答えました。「自分に続け」と後輩に伝えたい先輩達。「先輩が後輩たちの面倒を見ていく」という成城らしい縦のつながりは、臨海学校や部活動のみならず、このような場面でも受け継がれていくのだと感心しました。

【最後に】

今年度の春季校外課業、臨海学校、林間学校、海外研修のすべてが、今のところ実施中止または延期です。一日も早く「文武両道」の男子校でのびのびと過ごす学校生活を取り戻したい、と思う毎日です。しかし、一方で、誰もが、一人でいる時間が長いときです。今しかできないこと、例えば「自分を振り返ること」など、通常ではあり得ないこの経験をしながら、「これから」をより良いものにしていくための時間として過ごしてみませんか。みんなで頑張りましょう。

令和2年5月12日 校長 栗原卯田子