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高1:生活をテーマとする研究・作品コンクール 佳作受賞

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受賞した高1の千島くん

東京家政大学が行う「生活をテーマとする研究・作品コンクール」において高1の千島啓太くんが行った研究「蟻の混雑緩和手法の解析と応用 ~駅の混雑緩和を蟻の行列の作り方から考える~」が佳作を受賞しました。

東京家政大学のプレスリリースはこちら

本校では昨年に引き続き2度目の受賞です。今年度は表彰式は行われず、表彰状を送付していただきました。

この論文は昨年度、彼が中学3年の夏に行った理科の探究活動の成果報告を修正し、再度まとめたものです。アリの綺麗な行列を作る手法を解析し、駅のエスカレーターの混雑緩和ができるのか?ということを検討してくれました。

以下にその概要を記します。

蟻の混雑緩和手法の解析と応用 ~駅の混雑緩和を蟻の行列の作り方から考える~
 研究目的  渋滞ときくと車の印象が強いが、私は通勤時間帯の駅のエスカレーターの混雑が思い浮かぶ。車の渋滞の研究は多いが、駅の混雑の研究はまだ十分ではない。今回、私はエスカレーターの混雑を解消する手法を、自然の中で綺麗な行列をつくるアリの生態から見つけられるのではないかと考えて研究を行った。
 研究方法  はじめに、餌に群がる際にできる行列の作り方の観察を行うべく、人工的に混雑する状況をつくる実験装置を作成し、アリの行動を解析した。また、アリの行動解析の結果を基に、都心14駅のエスカレーターの混雑状況を、エスカレーターまでの距離と列の乱れ具合を調べ、解析を行った。
 研究結果  結果1:アリの行列は互いに干渉しないように一方通行に進んでいる。狭い枝の上では譲りながら小グループで互いに行き違いながら、規律正しく列を作っている。結果2:アリの巣から近いところに餌がある場合、アリの行列は乱れていた。
 まとめ
・結論
 アリの行列の解析結果を基に、エレベーターの混雑を解析した。結果1を基に、エスカレーターを見ると、列を変える行為を行うと、エスカレーターの列が大きく遅れてしまうことが明らかになった。結果2のように、エスカレーターのある車両付近に人が多く集まりすぎると、混雑する原因となっていた。
 展望  本研究により、エスカレーターの近くの号車に固まらず、分散乗車をすることで列が作りやすく混雑解消の一助となることが明らかになった。蟻の行列とエスカレーターの混雑は、比較検証をすると共通する項目が多く、混雑解消のヒントとして多く学べることが多かった。身近な動物の生態から学び、人間社会に還元できる余地が多くあることに気づいた。