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校長だより

生徒の活躍で輝いた2学期

コロナに遭遇してコロナで暮れた令和2年が終わろうとしています。日に日に感染者が増え、今日は東京の感染者数が1300人を超えたと報道されました。私たちに今できることは「静かに」過ごすこと。よく考えて行動し、危険を感じたら勇気をもってやめることです。

さて、例年の「グローバルリーダー研修報告会」もなく、12月が考査や冬期講習などで終わろうとしていた頃、校長宛に成城中学校と成城高等学校がともに第64回全国学芸サイエンスコンクールにて「学校奨励賞」入賞という知らせが届きました。振り返れば確かにそうでした。今年は、生徒の頑張りが素晴らしく、多くの生徒たちが校長表彰、生徒会表彰で表彰され、校舎の懸垂幕も増えました。日々の蓄積が形になって成城が輝いた12月でした。これらを含めて12月の成城をお伝えします。

 1.学校説明会

読者の中には成城中学校の受験生もいることと思います。12月2日に年内最後の学校説明会を実施しました。2月の試験当日もこの日と同じく、受験生には、手指の消毒とサーマルカメラによる検温、さらにマスク着用をお願いすることになります。

試験当日に万一、発熱、PCR検査の結果待ち、濃厚接触者となり外出不可などの事情のある受験生は試験会場に入ることはできません。これらの事情で受験できない場合は、必要な手続きをすることで追試の対象になり得ます。詳しくは出願時にお知らせしますが、今から感染防止、健康管理に努めてください。次回の学校説明会は1月13日(水)で最終回となります。ご心配なことがありましたら気軽にお尋ねください。

2.全国学芸サイエンスコンクール

11月13日有馬朗人氏が審査委員長を務める「サイエンスジャンル最終審査会」、12月3日に「学芸ジャンル最終審査会」が開催され、結果として前述の通り、成城中学校と成城高校が学校奨励賞に入賞しました。12月9日に公式サイトにて発表されましたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の状況により3月の表彰式が中止されたとのことです。https://www.obunsha.co.jp/gakkon/index.html

3.オンライン文化祭の振返り

12月のある日、高2のO君が校長室にやってきました。彼は生徒会の文化祭実行委員の一人で、「今年のオンライン文化祭で一番印象に残っている催しについて校長先生にインタビューしたい」とのことでした。いつもの文化祭では、私はプログラムを見ながらスケジュールを決めて校内を回りますが、それでもすべてを見ることは物理的にできません。今年はオンラインだったため自分の空き時間を使って全ての団体を見ることができたのが何よりの感激でした。O君には各参加団体の出し物について思い出す限り一つひとつコメントを伝えました。結局私が選んだのは予告サイトからエンディングムービーまでを完結させた文化祭実行委員会でした。今も残像が強烈です。

4.無限の瞳

インタビューの数日後、今回のオンライン文化祭でも上映された映画「無限の瞳」の原版が生徒会室から出てきたと、生徒会長が職員室に届けてくれました。ご存知の方も多いと思いますが、これはかつて成城高校の生徒会が制作した映画で、原爆症を発症した成城高校の生徒をテーマにしたドキュメンタリーです。まさに成城高校のお宝です。機会があれば是非ごらんいただきたいと思う映画です。

無限の瞳の原版

5.終業式

12月22日に2学期の終業式を放送で行いました。中学の終業式では、2学期に行われた代替行事や部活動によって生まれた友情や先輩とのつながりの大切さを校訓「敬愛親和」を通して話しました。

高校の終業式では、「自治自律」の話をしました。特に、スポーツ大会、オンライン文化祭などにおける高校生のリーダーシップが素晴らしかったこと、コロナの感染拡大に際し、これまで自分達がしてきた行動を自分たちで見直して制限を加えながら実施できたことを讃えました。自分たちの行動規範は自分達で考え自分達で行動するという校訓「自治自律」。「自律」とは他を意識して自分の自由を制限すること、真の自由はここにあると自覚した2学期だったのではないでしょうか。

6.校長表彰

本校では全国大会、関東大会、都大会のレベルの受賞を「校長表彰」として讃えています。今回の校長表彰は、中学では、「第31回伊藤園お~いお茶新俳句大賞」、「第64回日本学生科学賞東京都審査委員会」、「第30回私たちの身の回りの環境地図作品展」、「第61回東京都中学校体操競技新人大会」、「第48回生徒写真・美術展(美術の部)」、「第12回全国高等学校鉄道模型コンテスト」、「税についての作文」の入賞者を、高校では、「第31回伊藤園お~いお茶新俳句大賞」、「令和2年度東京都高等学校体操競技新人大会」、「第64回日本学生科学賞東京都審査委員会」、「生活をテーマとする研究・作品コンクール」、「第31回全国高等学校アマチュア無線コンテスト」、「第48回生徒写真・美術展(美術の部)」、「第12回全国高等学校鉄道模型コンテスト」の入賞者を、それぞれ校長室で表彰しました。

7.日本生物学オリンピック2020・懸垂幕

高校3年の大森智貴君が「日本生物学オリンピック2020代替試験2次試験」に選ばれて参加しました。これは、国際生物学オリンピックの出場者の選抜を兼ねている大会で日本生物学オリンピックの本選にあたる試験です。既に校舎には今年3月に卒業した二人の本選出場者を讃える懸垂幕が掲げられていますが、今回これに大森君の懸垂幕が加わりました。

8.岩井訪問

来年の臨海学校の実施可能性を探りに、12月15日と23日の2回にわたり教頭と体育科主任と岩井に行ってきました。台風15号で倒壊した成城丸が入っている船倉庫は、すでにきれいに修復されていました。

台風1修理後の小屋

コロナ終息の目途が立てば、今年度の中学1年生と来年入学する生徒たちの臨海学校が実現しますが、コロナの終息が見えません。岩井海岸では安全で安心な臨海学校を実現できるよう、成城が来ることを待っている様子でした。伝統行事の復活を心から願っています。

9.速達

クリスマスの日に校長室だよりを読んで下さっている方から「家族」をテーマとする展覧会のご案内が速達で届きました。それは障害をお持ちの方による作品展でした。出展作品の紹介文を読んで、コロナがなければすぐにでも見に行きたいと思いました。コロナ禍にあって私たちは、個性と能力があふれる作品の中にどのような「家族」とのつながりを見つけられるでしょうか。


様々な話題に溢れた1年でした。もう間もなく、ウシ年になります。夏目漱石が弟子たちに宛てた手紙の中に「牛になることはどうしても必要です。われわれはとかく馬になりたがるが、牛にはなかなかなり切れないです。…あせってはいけません。頭を悪くしてはいけません。根気づくで、お出でなさい。」とあります。私たちが今できることは「静かに過ごすこと」です。あせらず、深く考え、根気よく、牛のように。

皆様、どうぞよいお年をお迎えください。

令和2年12月31日 栗原 卯田子