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住友商事キャリア教育支援プログラム「Mirai School」開催

Mirai School ~住友商事社員と一緒に考えるキャリア・デザイン~

自らが参加する

11月6日(土)、本校小講堂にて住友商事キャリア教育支援プログラム「Mirai School 社員と一緒に考えるキャリア・デザイン」が開催されました。今回このキャリア教育イベントにおいて、何よりも大切にしたのは「生徒が自らの意思で参加をする」ということでした。当日は、中学3年から高校3年までの希望者79名に大学生OB2人を加えた81名が参加しました。

講義にワークタイムと討議・発表も加えた2部構成の授業が展開されました。

第1部 「会社・仕事・自分紹介」

グローバル企業で働く住友商事社員、宮地さんと工藤さんのお二方を講師に迎え、「リアルな体験」「仕事への向き合い方」についての講義を受けました。総合商社とは何か?ビジネスとは何か?社会貢献とそこからの報酬と利益とは?世界を相手にすることとは?生徒たちにとって漠然としたものであるビジネスの世界が次々と紹介され、生徒たちは頷きながら、首をかしげながらも熱心に聞き入っていました。なかでも講師オリジナルスライド「私の仕事人生グラフ」では、高校時代から現在に至る過程において「人生のテンション」のアップダウンと人生の転機について感じたことや考えたことを紹介していただきました。学生時代の自分を社会人としての自分が振り返ったときに何が大切だったかをご本人も熟考しながら熱量を持って伝えていただきました。

第1部終了後の質疑応答

:テンションが落ちこんで、バンジージャンプに挑戦した後に何がどう変化したのか?まわりが変わったのか?(仕事の重圧に落ち込みジンバブエへ旅をしたお話から)
:まわりが変わったのではない。自分の考え方が変わった。ただ受け身であった自分から、自分の考えを表現しようとする自分に変わっていった。

:海外の仕事で苦しいことは?
:文化の違い。日本での常識が通じない。だが、現地の方々とのギャップを埋める作業も楽しみのひとつである。

:海外でのビジネスとボランティアの差異は?
:ボランティア活動はひとりでもできる。いつでもできる。だが、何かを大きく動かす国際貢献には企業の力が不可欠と考える。

第2部「これからのキャリア・デザインで大切なこと」

「社会の変化」「ビジネスの役割」「それぞれのキャリア・デザイン」について未来への問題提起も含めてお話を伺いました。キャリア・デザインを考えるときに社会の変化を考えることが不可欠なのは何故か?との問いかけに引き込まれる生徒たち。「カーボンニュートラル」「情報の価値の低下」「業務の自動化・デジタル化」「ライフスタイルの変化」「環境への意識」など、社会の激しい変化について、「なぜ?」「どう取り組めばよいのか?」「そのために今できることは?」と生徒たちも自分ごととして聞き入り、多様な経験や価値観からのヒントをもとに、「大切にすべきこと」を考えました。

宮地さんからのヒント「走りながら考えよう。体験するか否か、挑戦が大切。企画・実行するときに相手を喜ばせる小さな取り組みがとても大切。仕掛ける側の人となれ。」

工藤さんからのヒント「芯と柔軟さ。周りとのバランスをとる。ときに自分に立ち返る。自分なりの考えを持って、日々を積み重ねること。」

グループ討議・発表「自分のキャリアをデザインしていく上で大切なこと」

学年も入り交じり、前後の席に座った者たち、即興で作ったグループでは、個々の意見を尊重した討議がなされ、それぞれのグループが発表を行いました。その一部を紹介します。

 

 

 

成城生が考えたキャリアをデザインする上で大切なこと

  • ただ挑戦するのではなく考えながら挑戦すること。
  • まわりの意見を取り入れて情報を得て、自らを表現すること。
  • 世界への視点。意志と目標と情熱と日本語以外の語学力。
  • 目の前のことに全力で取り組むこと。組織の中での役目を考えること。

第2部終了後の質疑応答

Q:AIが職業を狭める?
A:AIそのものが商社のビジネスチャンス。定型化から価値創造へ、AIを使って価値向上する。

Q:転職をどう思う?
A:総合商社では、4~5年で勤務地・役割が変化する。会社の中でキャリアアップできる。専門性に長けた人材の中途採用が増しているのも事実。

Q:「芯」とは何だと思う?
A:矛盾するが、振り返ると芯は変化している。その時々に応じた自分の芯が必要と考える。

Q:語学の鍛錬の仕方
A:現地に身を置く。言語に触れる機会・場所を探す。自分は、教科書通りの学習より、外国語でのユーモアが言えることを目標にしている。

Q:世界平和とは?
A:友だちになろう。ベースはひとりひとり。草の根の力。

最後に

今回参加した成城生へ宮地さんと工藤さんからメッセージをいただきました。

「大人との機会へ能動的に参加すること自体がすばらしい。人からの話を聴くことでキャリアを積む、考えながら進むことが重要である。」そして、「芯とは何か?との問いに考え込んでしまった。今、ここで思うのは、自分の芯は『日本人としての魂をもって世界と対峙すること』だと考える。」

生徒たちからの真っ直ぐな質問に講師の方々が考え込まれる場面もありました。お互いに感銘を受け合った充実した2時間となりました。生徒たちにとっては『未知なる社会』へ『今の自分にできること』をつなげて考えるきっかけとなり、想像力を掻き立てられる素晴らしい経験となりました。

今回のイベントに携わっていただいたすべての皆さまに心から感謝申し上げます。

終了後

個別の質問時間をとっていただきました。
生徒たちの素直で真剣な訴えに、真摯に応じていただきました。

  • 直感ではなく、計画的にチャレンジすることも重要では?
  • 人間力って何?
  • コーチングと人間力について?
  • リーダーシップとは何か?
  • リーダーに求められる資質は何か?どうやったらリーダーになれるか?
  • どうしたら組織を引っ張る20%になれるか?(262の法則:組織において、20%の人が優秀な働きで皆を引っ張り、60%が普通に従い、残りの20%が足を引っ張るという法則)
  • 企業は環境問題への対応と利益を獲得することをどう両立していくのか?
  • 生徒会で上下関係をフラットにする取り組みをしたら今度は年下が年上を軽んじる傾向が出てきた、どうしたら互いにリスペクトし合える空気がつくれるのか?
  • 生徒会で中々年下に仕事を任せることできないが、それをどう思うか?
  • カウンセラーになるのが将来の夢、ただ、どうしても人を自分の型にはめてしまう考えが抜けない、どうしたら良いのか?
  • 趣味は多いけど、どのような仕事につけばよいのかまだイメージが湧かない、どうしていけばよいか?
  • 文化の違う世界では笑いのポイントも異なるのでは?ユーモアの磨き方は?

ヒントはあっても正解はありません。成功も失敗も正解。『今の自分にできること』があるかもしれない!という自己肯定感と『やってみよう』という高揚感に包まれて、自分で考えながら進む大切さに改めて気づいた生徒たちでした。