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校長だより

主体性~主人公はあなたです。~

正門に続く桜の道は新芽の緑が眩しい毎日です。まさに「新緑の候」、清々しい言葉ですね。さて、いよいよ新年度が始まりました。

 1.新年度最初の訪問者

新年度になって初めての来室者は生徒でした。ジャパン・ソサエティー(日本協会)主催の「ジュニア・フェローリーダーシッププログラム」の日本代表として3週間のアメリカ研修から帰国した高校2年になったばかりの斎藤喜市君です。4月2日、自らの研修を報告に来室しました。

この研修は、日本全国から選抜された高校生10名に対して、アメリカ東海岸(ニューヨーク/ニュージャージー/コネチカット州とその周辺)で将来のリーダー育成を目指して行われるプログラムです。参加者には、日米の国際交流、文化理解を通して、リーダーに求められる高い知識、実践力を養うための機会が提供されます。

このプログラムに合格した生徒は本校で2人目で、しかも今回は高校1年生としての参加でした。帰国直後であるため時差の影響があるでしょうに、若いせいかとても元気で、生き生きと3週間を振り返って報告してくれました。

折を見て、関心のある生徒や保護者を対象に本人が報告会をしてくれるそうです。皆さん、期待していてくださいね。

2.入学式・始業式

4月6日午前10時より中学校入学式、午後1時より高校入学式を行いました。続いて、4月9日に中学始業式と高校始業式を行いました。中高で表現は変えましたが、いずれの式辞でも私が強調したことは、伝統男子校としての誇りをもち、三光星が象徴する人間像を自ら追求すること。そして、変化の時代にあるが、皆に求められていることは、主体性、自分で考える力であること。そのために文武両道を身に付け、当たり前のことをきちんとやれるようにすること。私はいつも同様のことを、言い方を変えて伝えてきました。

4月のある土曜日。朝正門で「校長先生ですか?」と散歩中の若いご夫婦に声をかけられました。近くに住んでいる卒業生で在学当時は柔道部だったそうです。とても爽やかな方で本校の前をよく通るそうです。他の近所に住む方からも「学校よくなりましたね。数年前とすっかり変わりましたね。」と言われて嬉しかったです。4月に入り思うことは、始業前の風景や制服の着方が数年前と変わったことを地域の方が見ていてくださっていることで、隔世の感があります。今年度、良いスタートを切ったと思っています。

 3.グローバル研修説明会

4月7日に、今年の夏に予定されているエンパワーメント・プログラム、台湾グローバル研修、オーストラリアグローバル研修の3つの実施説明会を「グローバル説明会」として合同で開催しました。小講堂には昨年以上に多くの生徒、保護者が参加してくれました。今年は事前・事後研修を充実させるため、クラブ活動との兼ね合いで悩む生徒も見受けられました。クラブ活動でもグローバル活動でもどちらでもいい。大事なことは、自分から参加して、集中して自分のものにすること。主人公はあなたです。

人数の関係から選抜を余儀なくされました。たとえ選抜から漏れたとしても、あなたがこの夏をどう過ごすのか、何に集中するのか、それが大事なのです。

4.中学会議

本校は中学生の行事が豊富です。特に中学1年生は5月1日から1泊の校外課業があり、7月の3泊4日の臨海学校へとつなぎます。

校外課業

その他、宿泊を伴う中学の行事は中学2年生の林間学校、スキー学校、中学3年生の修学旅行と盛りだくさんです。学校としては4月早々から中学の先生たちと関係の先生方と一緒に、中学会議を開いて、今年度の中学校行事について準備を始めました。臨海学校準備委員会も連休明けから動きだします。

5.避難所運営管理協議会

本校は新宿区の避難所に指定されている学校です。その意味でも生徒にとっては最も安全といえる建物です。毎月本校で、地元の地域代表の方、大学の先生、新宿区の職員を交えて、地域と学校と行政が一緒になって避難所運営管理協議会を行って災害に備えています。今月の会議では地域の方から、今秋の避難訓練で成城学校のクラブによるイベントを実施してほしいと提案されました。日頃から地域と学校の繋がりを深めるためで、可能な範囲で実現したいと思っています。

学校独自の取り組みでは、村岡教頭がリーダーシップを発揮して、新任の先生方を対象に校内巡回をしながら「防災品保管場所」の確認をしました。いざという時には、誰もが主体的に動けることが求められます。そのための最低限の知識として、新任の先生方はメモを取りながら真剣に参加していました。

6.88期生還暦同窓会

昭和51年成城高等学校卒業の第88期生の同窓会が「還暦同窓会」として4月29日に開催されました。1月に幹事の方が校長室にお見えになり、私にも出席をするようにとのご依頼を頂きました。以来幹事の方は着々と準備をされてきたようで、当日を迎えました。午前11時本校カフェテリアで受け付け開始、11時30分から新校舎をご案内しました。

同窓生の方にとっては、会堂(体育館)以外の校舎は当時と全く違うにもかかわらず、懐かしい思い出や校風を互いに語りながらの楽しい見学会となりました。当日は、体育館でバレーボール部の試合、小講堂で高校生徒会の交流イベント、科学部の部室では生徒たちによるアマチュア無線の活動、地下体育室でのジャグリング部、テニスコートではテニスの練習など、学校では本校や他校の生徒達が大変多く活動しており、見学者の皆様は日曜日の活気に驚いておられました。

その後、御茶ノ水にある「神田明神」に移動し、参加者全員51名が明神会館に揃いました。

神田明神①

同窓生の方に神田明神の氏子の方がおられて、そのご縁で希望者に御昇殿参拝(ご祈祷、お祓い)の機会を頂きました。神官様は祝詞の中で成城学校の理念、歴史に触れられ、還暦を迎えた皆さんのご健勝を祈られました。参加された皆様にとっては、還暦同窓生が皆で揃ってお祓いを受け、これからの人生の良い節目となったことと思います。

私は一番前で参拝させていただき、心を込めて成城学校の発展を祈願致しました。終わりにお神酒とお札を頂き、厳粛な中で新年度のよいスタートとなったことが印象深いことでした。

神田明神②

神田明神③

この後は明神会館でのパーティ。全員が高校時代のアルバムから撮った写真を胸に付けて懇親会に参加しました。初めて参加された方も多く、胸の写真を見ながら互いを確認し会話を弾ませていました。

懇親会では素晴らしい同窓生達との出会いがあり、皆さんからの成城学校への応援を感じて帰ってきました。心より感謝し、参加してよかったと思いました。

会の最後は校歌。当時の学生帽をかぶって歌った後、その帽子が学校に寄贈されました。有難く頂戴して学校に戻りました。史料室に展示したいと思っています。前回より参加者が増えたようで、次なる会(古希?)は本日の参加者全員が幹事をやろうと、参加を誓い合っていました。

学生帽①【最後に】

新年度一か月目が慌ただしくも充実して過ぎていきました。明日から、校外課業で中学1年生と冨士山麓に出かけます。 生徒一人ひとりが主人公になって主体的に活動できるようになること、これが高く遠くにある目標ですね。

平成30年4月30日 校長 栗原 卯田子