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高1:生活をテーマとする研究・作品コンクール 佳作受賞

受賞した賀来くん

受賞した高1の賀来くん

 

東京家政大学が行う「生活をテーマとする研究・作品コンクール」において高1の賀来叡くんが行った研究「万人向け公共トイレの配慮設計 ~目の不自由な人にも使いやすいトイレはどのような構造なのか~」が佳作を受賞しました。

東京家政大学のプレスリリースはこちら

表彰式は10月26日(土)、東京家政大学板橋キャンパスの120周年記念館にて行われました。

この論文は中学3年・高校1年次に行われた理科の探究活動の成果報告をまとめたものです。賀来くんの研究は、公共トイレに必要な配慮設計はどのようなものなのか?地道なインタビュー調査と立地調査で明らかにした内容です。まっすぐな彼らしい、とても温かな研究でした。

以下にその概要を記します。

万人向け公共トイレの配慮設計 ~目の不自由な人にも使いやすいトイレはどのような構造なのか~
 研究目的  障害の内容によって、必要な合理的配慮は異なる。そこで、ものが見えづらい人や、ものが全く見えない人などにとって、どのようなトイレが1番使いやすいのかを調べ、万人が快適に利用できるトイレを明らかにすることを目的とする。
 研究方法  目が不自由な人がトイレでどのようなことを不自由に思っているのか、視覚特別支援学校・日本盲人職能開発センター・日本点字図書館や全盲の方にインタビュー調査を行った。問題点を洗い出し、その後、公共施設のトイレを調べ、構造の課題を明らかにした。
 研究結果  インタビュー調査では「トイレの場所が分からない」「流すボタンやレバーの場所が分からない」「多目的トイレが広すぎる」という3点の問題を明らかにした。複数の公共トイレを調べた所、流し方・流すボタンやレバーの位置がすべてバラバラであった。統一規格の実施にはまだ課題がある。
 まとめ
・結論
 公共施設のトイレの改善点を探した所、どのトイレも使いづらいというデータが得られ、それを基にトイレを使いやすくするには、すべてのトイレの構造を統一することが必要ということがわかった。また多目的トイレは、現状では視覚が不自由な場合は使いづらい構造になっていることが明らかになった。
 展望  今回、視覚に不自由がある人の観点からトイレの使いやすさを考えたが、目の不自由な人のためにトイレを作ると、逆に車いすの方には不自由になることもある。公共施設を改善するとき、もう少し当事者の声を聞いて考えるとより実用的なものになると感じた。