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校長だより

「最高の2学期」をめざして!!

本校では8月7日に放送で1学期の終業式を行い、夏休みに入りました。ウォーターボーイズの掛け声や音楽も聞こえてこない、いつもとは景色や音が違う夏休みでした。今夏は楽しみにしていた臨海学校、林間学校、部活動の合宿など、機会を軒並み奪われた成城生ですが、実は普段では見えにくい元気を見せてくれました。

夏休みは終わり、9月1日に放送による始業式で2学期が始まりました。その日の朝の正門で登校する生徒たちと再会しましたが、皆元気でほっとしました。今号では、主に夏休みを振り返りながら、感じていることを皆さんにお伝えしようと思います。

1.部活動

本校では、部活動ごとにコロナ対策と活動計画を作成して、生徒、保護者から同意書を得た上で7月初旬から部活動を再開しています。

夏休みにこんなことがありました。前号でも紹介しましたが、第102回全国高等学校野球選手権大会、いわゆる甲子園での全国大会が中止となり、野球部を引退する高校3年生のために、東京都高等学校野球連盟主催の「2020夏季東西東京都高等学校野球大会」が代替大会として行われました。

本校硬式野球部は4回戦まで進みました。最後に対戦したのは、結果として東東京の優勝校となった帝京高校でした。4回戦進出、優勝校との対戦、素晴らしい成果でした。

トーナメント結果

この対戦で本校の試合は終了となりましたが、新聞記事に紹介された主将且元康治郎君の写真は素晴らしい笑顔です。(朝日新聞2020年8月3日掲載・承諾番号20-3318・朝日新聞社に無断で転載することを禁じる)

記事020802記事からは、厳しくも楽しんでやってきた様子が伝わってきます。ややおかしな表現になりますが、成功したから幸せなのではなくて、幸せだから成功を創れた、と感じました。

その後のある日、中学野球部が練習をしていたので私は遠目に見ていました。猛暑の中の練習を見ながら、近くにいた顧問に生徒たちの様子を聞いてみました。すると、中学野球部の生徒たちは高校野球部の「快進撃」で先輩から元気をもらい、自分たちも頑張ろうと新宿区大会で優勝するなど、活躍ぶりが報告されました。ここにも「縦のつながりで学ぶ」がありました。

野球部3

野球部2

臨海学校や合宿が中止され、直接先輩に触れて学ぶ機会はなくなってしまいましたが、日々の生活の中に「先輩から学ぶ」機会は間接的にもまだある、ということです。それを自分のものにして成長していくのですね。

試合や大会がなくて目立ちませんが、他の部活動も、感染予防をしながらよく頑張ったと思います。サッカー部、ハンドボール部、陸上部、テニス部、バレーボール部、バスケットボール部、体操部、鉄道研究部、・・・など、中学校と高校の部活動が、コロナと熱中症の対策をしながら、目標に向かって取り組んでいました。様子を二つ紹介します。

◆まずは中学テニス部です。昨年は団体戦で関東大会で活躍した上、何と全国大会出場という快挙を成し遂げた中学テニス部。校舎に掲げられている懸垂幕を誇りに、コロナ感染予防策を施しながら、今年も団体戦で全国大会出場を目指して練習に励んでいました。この日は卒業生が後輩のために指導に来ていました。

◆次は、毎年文化祭や大会で人気を集め様々な成果を上げている鉄道研究部です。今年は、全国高校生地方鉄道交流会は8月21日にオンラインで開催されるとのこと。「地方の活性化」の方策を考えるという大きなテーマに、各グループで課題を設定し、探究した結果を提案として発表する取り組みです。8月の大会間近のある日に校内のパソコンルームでの活動を覗いてみました。

鉄道研究部6

鉄道研究部2

鉄道研究部5

鉄道研究部4

鉄道研究部1

生徒たちの様子は写真にある通りICT機器を上手に使いこなし、意欲的に活動を進めていました。新しい鉄道研究部の在り方として、興味深く見せてもらいました。大会の結果は、残念ながら受賞には至りませんでしたが、生徒たちのICTの技量の高さに驚きました。生徒たちにとっては、大変充実した時間だったと思います。

2.部活動以外の活動

休み中は、部活動のみならず進学講習4期があり、自修館での取り組み等、生徒の登校は想像以上にありました。

高校生の中には様々な大学が主催する「講座」や「講習」などに応募し、合格して参加を叶えた生徒がいました。今年の講座はオンラインでの実施となったようです。

コロナ禍の中、積極的に自分の夏に取り組む生徒たちの姿をみて、「危ないから何もやらない」のではなく「危なくないようにやってみようよ」と、知恵を使って取り組んでいると「経験した者にしか得られないものを得ることができる」と感じた夏でした。

3.オンライン文化祭

前号でも紹介しましたが、高校2年生の文化祭実行委員会が「オンライン文化祭」を企画し、「技術講習会」を進めています。さらにまた、中学2年生の有志生徒たちにより、オンライン文化祭有志団体として「地球環境研究会」が誕生し、活動を始めています。「地球環境研究会」の企画書には様々な「やりたいこと」が書かれていました。読んでいてワクワクします。早速活動を開始して、マイクロプラスチックの調査を始めたようです。中学生も頑張れ!!

4.成城卒業生に思う

以前に校長室だよりで紹介したことのある卒業生から夏休み中にメールが来ました。

彼は成城中学校に入学以来吹奏楽部に所属し、おとなしくて目立たない生徒でした。実験が大好きで、部活動の傍ら、実験をしては結果をまとめ「日本学生科学賞」などに入賞していた生徒です。卒業後は東京理科大学に進み、成城でやっていた研究をまとめて科学論文コンクールに応募したところ、最高賞である「文部科学大臣賞」を受賞。結果として、大学から奨学金として研究費が与えられました。休み中のメールは、国際的に認識されている海外の学会誌に、彼の英語論文が掲載されたという報告でした。その後さらにこのリリースを受けて海外のメディアが取り上げたとのことで、大学の後援会は毎年500万円の研究費を支給することを決めたそうで、教授からは「もう仕事だ」と言われたそうです。

彼がここまで急成長するとは想像できませんでした。まだ大学3年生です。まさに、「スイッチが入ると男子は化ける」のですね。

今思うと、気が付くことがあります。在校中や卒業後に校長室で聞いた話を思い出すと、彼は実験の話をしているとき、いつもワクワクしていました。大学の進路選択では「僕は今、一番したいことをしたい」と言いました。大学入学後も、様々なことに悩みながら、「僕は今、一番したいことをしている」と言いました。

彼は「成功したから幸せになった」というより「幸せだから成功したのだ」と思うほど楽しそうに幸せそうにしていました。先程の野球部の主将且元君と重なります。

自分はダメだ、自分にはできないと思っていたら、何も進みません。なりたい姿を想像してワクワクしている自分を思い描いて、気持ちに素直に行動して夢を実現してほしい、と思います。


昨日、私宛に85歳の方から手紙が送られてきましたので紹介します。次男の方が成城中学校高等学校を卒業されたお父様で、師親会会長(PTA会長)も務められた方からでした。妹さんの息子さんも成城中学校高等学校を卒業されたそうですが、その方は24歳の若さで交通事故により亡くなられたとのことでした。先日その方のお墓参りに行った折、亡くなってから28年にもなるのに成城の同級生がいまだに弔問に来る、という話を聞いて手紙をくださったそうです。お便りの中で、成城学校の「知仁勇」の精神に基づくものであると、成城の教育のすばらしさを讃えて下さいました。成城を応援してくださっていることを励みにしてより良い学校にしていきたいと思います。

これから受験生にとっては勉強に忙しい時期になりますね。例年9月に行われる文化祭は、今年はオンライン文化祭です。11月14日、15日を予定しています。初めての取り組みで不安がありますが、是非ともご来場下さい。

では、皆さん。「最高の2学期」をめざしてスタートしましょう。

令和2年9月3日 校長 栗原卯田子