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校長だより

「数学統計」の授業

中学1年生は、週に1時間「数学統計」という授業を受けています。数学という名前がついていますが、授業内容はタイピングの練習、ネットモラルやコンピュータの特性の学習、簡単なプログラミング、そして、Excelを用いた統計処理など、多岐にわたっています。

今回の授業は、授業科目名の通り、統計について学習すると聞きましたので、授業を見学してきました。

1.タイピングの練習

授業の冒頭は、まずタイピングの練習から始まります。生徒たちは、授業が始まるまでにコンピュータの電源を入れて、ログインをしておきます。授業が始まると、教室の中は生徒たちがキーボードをたたく音だけが響いて、みな黙々とタイピングの練習に励みます。1学期は、指1本で入力する場面も見られましたが、2学期になって、ブラインドタッチに慣れた生徒が増えてきました。入力の結果は、得点化されて表示されますので、その結果をExcelに入力してグラフ化しておくことで、自分の入力状況が次第に上達していることを実感できます。

2.データ入力

今回のデータには、文部科学省が行っている学校基本調査から、都道府県別の中学生の人数を使います。各都道府県の生徒数および国立、私立の各中学校に在籍している生徒数をExcelに入力しておきます。そのデータに興味を持ってもらうために、データを見て、わかることを聞いてみると、秋田県と山形県の私立中学校の生徒数が、「―」になっていることを指摘する生徒が現れます。それはなぜかを予想して、実際にインターネットで情報を確認してみると、両県には「私立中学校がない」ということに気づくのです。在籍生徒数が「0」ではなく、データがないということを理解してもらいます。

 

3.関数による数値計算

データが集まりましたので、別の見方ができるようにデータを加工していきます。ここでは、都道府県別の中学校の在籍生徒数と、国立、私立中学校の在籍生徒数の割合から、各都道府県の中学受験率というものを計算させています。タブレットに配信された指示書を見ながら、作業を行い、画面上で拡大をして見たり、メモ書きを入れてみたり、完全にペーパーレスになっています。

 

4.グラフ化

計算されたデータを視覚的に把握するために、最終的にはグラフにしていきます。グラフにするにあたって、中学受験率として計算したデータを5%ごとの階級にわけて、度数分布表を作成します。その値を用いて、ヒストグラムを表示させることができれば完成です。得意な生徒は、すぐにグラフの表示まで到達できますので、作業が遅れている生徒に、先生として教えて回ります。得意なことが知られている生徒は、先生として引っ張りだこになっていました。今回は、授業で用意されたデータを用いて、作業を行いましたが、自分で集めたデータを加工して、そこから読み取られることから、の課題の解決につなげていってくれることを期待しています。

 

 

 

令和4年10月31日

校長 岩本 正